承前*1 アジア海賊版文化 (光文社新書) 作者: 土佐昌樹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/12/16メディア: 新書購入: 2人 クリック: 66回この商品を含むブログ (17件) を見る 土佐昌樹『アジア海賊版文化』からのメモ。 この本の理論面におけるハイライトのひとつは、ハーバーマス流の「公共圏」の議論とヴィクター・ターナー*2の「コミュニタス」論を結びつけたことだろう。 文化人類学の歴史のなかで公共圏にもっとも深く関連している概念をあげるとすれば、まずヴィクター・ターナーの「コミュニタス」と「境界性(liminality)」*3を取り上げないわけにはいかない。 それは身分や序列によって秩序つけられた「社会構造」の対極にある、未分化で創造的な人間関係のモデルを指している。学生時代の友人関係や芸術家の型破りの人間関係などが、その手近な例といえる。公共圏も社会構造や共同体に