超一流企業間で、製品品質についての考え方に決定的違いがあるのを、筆者は目にした。大手エレクトロニクスメーカーA社が、同B社からパソコン用ディスプレイのある機種の注文を受けることが決まった。それまでB社は対象製品を内製していたが、初めての外製である。両社間で対象製品の開発・納入打ち合わせを始めたが、納期が約1カ月どうしても合わない。両社それぞれの事情から絶対譲歩できない状況下で、開発日程を詳細に打ち合わせしていて判明したことがある。 製品試作工程が、B社の場合A社より1工程少ないのだ。A社の試作工程は原理試作から始まって、デザイン試作、製品試作、型試作、量産試作、そして量産へと入って行く。B社はほぼ同じ工程を経るが、量産試作がそもそもない。 今回の対象製品はA社製品を一部流用するので試作工程のすべてを経過しないが、それだけに、量産試作工程は不可欠である。両社関係者の打ち合わせのやり取りの一部