保険金詐欺で誤認逮捕の悲運を乗り越え、初出場 「破天荒監督」率いる大阪偕星が甲子園にドラマを起こす! まるで「ルーキーズ」の世界 「リアル・ルーキーズ」 グラウンドには、やくざまがいの怒号が響いていた。 「やる気あるんか? 勝ちたいんか? おうコラ、ぼけコラ、アホちゃうか。甲子園に出ただけで満足かコラ!」 選手に檄を飛ばすのは大阪偕星学園の山本晳(セキ)監督(47歳)である。彼の言葉は直情的で乱暴だ。しかし、暴力的な印象は受けない。柔道家の山下泰裕氏に似た風貌から投げかける視線は、愛と情熱に満ちている。 第97回全国高校野球選手権大会に初出場した同校は、1回戦で比叡山に勝利し、13日に行われる2回戦、九州国際大付属との試合を控えていた。打撃ゲージの後方に置かれたテレビに対戦校の映像を大音量で流し、相手エースを想定したフリーバッティングを山本監督は見守っていた。ただ叱るだけでなく、脇を締め、