いわゆる「毒親」に関する本は何冊も紹介してきた。しかし、本書『毒親と絶縁する』(集英社新書)ほど、生々しく子どもが親を告発した本はないだろう。文筆家の古谷経衡(つねひら)さんの新刊だ。「教育虐待」という新しい切り口から「毒親」問題に切り込んでいる。 読みどころは3点 はじめに本書の読みどころを3点挙げておく。1つ目は父親の学歴コンプレックスから国立大学への進学を小さい頃から強要される「教育虐待」を受け、パニック障害になった経緯。一時は収まったかに見えたが再発し、長く著者は苦しんできた。 2つ目は学力不足とパニック障害で国立大学への進学が出来ず、私立大学に入学した著者の受験術。同じような重圧に苦しんでいる高校生の参考になるかもしれない。 3つ目は、保守論壇の期待の新人としてデビューした著者が「本来の保守主義」に回帰し、ネット右翼などと決別した理由。物書きとしてここまで路線変更を率直に書いた文
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