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ブックマーク / hyperlore.hatenadiary.org (4)

  • フェアリー・テイル - みんなで作る黒歴史ノート

    「……あんた、何やってんの?」 「えーと、おにぎりをべてます。中身は……梅ですね。あ、今べ終わりました」 長い黒髪を後ろで束ねた女が、口を大きく開けて中に何もない事を示す赤毛の男を鋭い目つきで見つめている。 二人がいるのは、そこだけ森が開けた場所で、周囲にはいくつか新しい切り株がたくさんあり、日の光を浴びている。緩い傾斜が、そこが山の一部であることを示している。 女は鋭く男を問い詰めた。 「そのおにぎりはどうしたの? どこにあったの? 持ってきたわけじゃないでしょ? 私はそんな物の持込みを許可した覚えはない」 「先輩も欲しいんですか?」 梅の種を吐き出しながら、男は笑顔で答える。 女は男に近づき、低い声音で言った。 「おにぎりは、どこに、あったの? 言いなさい」 女の剣幕に圧されて、男の声から暢気さが消える。 「そ、その辺を、転がってたんですよ。コロコロと。だから……えーと……捕まえま

    フェアリー・テイル - みんなで作る黒歴史ノート
  • フィクション・パトロール起源 - みんなで作る黒歴史ノート

    比喩でなく、物語が現実と同じくらいの強度を持ちうる時代。 仮想現実は、血と肉に加えて心まで作りだすことが可能になった時点で仮想が脱却し、ただの現実となった。この世界では、物語(文字もしくは絵によって表現された世界)は『システム』によって、もう一つの世界として具現化される。小説は既に読むだけではない、体験型エンターテイメントとして位置づけられている。それらは単なる文化の革新ではなく、人間の存在、ひいては、世界そのものを揺るがすものであった。 数年後、今なお議論され改正されつづける『虚構法』が成立し、同時に『虚構警察』、通称『F・P(フィクション・パトロール)』が発足される。虚構法の原則は一つ、「虚構内人権の尊重」である。 メモ 創作内の物語世界を現実化するシステムがある世界を考えます。 システム登場による虚構の現実化から、その逆の現実の虚構化があり、物理的現実からの脱却(消失)、そして消失か

    フィクション・パトロール起源 - みんなで作る黒歴史ノート
  • RightNovel - みんなで作る黒歴史ノート

    小説が世界を救うだなんて考える奴は、小説家だけだぜ。それも、とびきりいかれた奴だ」 そう君は言うけれど、僕たちはもう小説なしじゃ生きていられないんだ。歩く事も、息を吸うことも、僕らは読む事でしか味わう事はできない。 「いいか、百歩譲って、世界を救う小説があったとしても、それは小説が世界を救うんじゃない。小説を読んだ人間が世界を救うんだ」 同じ事じゃないか。僕は救われたいんだ。 「全然同じじゃない。それを間違えちゃいけない」 どうでもいいよ。哲学は嫌いなんだ。 「お前はいつもそうやって、考えるのをやめる。考えるのをやめたから、人間は小説がないと生きられなくなったんだぜ」 うるさいうるさい。お前、小説の登場人物の癖にうるさいよ。 「俺が黙ったら、お前は死んじゃうだろ。バカが。いいから、聞けよ。もうすぐこの小説も終わる。俺の語りが終わったら、一直線だ。リザは俺を刺し殺して、切り取った手首を持っ

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  • システム試案 - みんなで作る黒歴史ノート

    試案段階。 類:「何を考えるか考えよう」 履歴 「外部からの転載」の項目を追加(9/6) ハイパーロア(hyperlore) 民間伝承とか民俗学を意味する「フォークロア」をもじって、ハイパーテキストとかハイパーリンクとかの意味合いでの「ハイパー」をくっつけた感じ 民間伝承や都市伝説のように、語り継がれることによって物語が改編され、変化・流動していくスタイルのイメージ これは、この企画で目指すもののイメージそのものでもあります 基的にはフリーシェアワールドの理念を踏襲します。書いてから数年経ってるので、いろいろ考えを詰めたところはありますが 趣向 いわゆる中二病とか黒歴史とかいった衝動、あるいは益体のない与太話や誰も得しない分析考察。基的にはそのようなダークエネルギーを具現化する機会を与える場です 俺のはそんなステロタイプなものじゃない、もっと独創的で前衛的なものなんだ、とかぐだぐだ言い

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