世界は狭くなった。様々な国や地域の生活ぶりを、リアルタイムで覗き見できるようになった。言葉の壁はあるけれど、翻訳ソフトの高性能化は止まらない。マイケル・ジャクソンがWe are the Worldと歌い上げた世界が、きっともうすぐやってくる。現在でさえ、海外で生活している日本人の言葉を通じて、現地の空気を感じることができる。 ほんの100年前、海外赴任は今生の別れだった。 ほんの50年前、海外旅行は“選ばれし者”だけに許された特権だった。 ところが今はどうだろう。Googleストリートビューと現地在住者のブログやTwitterを併読すれば、お茶の間にいながら地球を一周できる。世界中に散らばった日本人のブログを、いつも興味深く拝読している。 ところで、そういう「海外居住者の言葉」に目を通していると、大きく二つのタイプの人がいると気づかされる。 一つは、現地を褒める人だ。日本人のアイデンティテ