ときどき、「消費税増税はショックで自殺者を出す」みたいな意見を見るのだが、それは金融政策も同じではないだろうか。仕事の激増に対して賃金上げや人員増が追いつかず、少なくとも短期的には過労死・過労自殺を増やす可能性が高いし*1、少ない年金と預金で暮らしている(まさにデフレだからなんとかもっている)独居老人などは、生活が成り立たなくなって自殺するしかなくなるだろう。金融政策で景気を回復したとして、このような「生きる場所がなくなった」と絶望感を深めた(人口規模は大きい)高齢世代が、政治をとんでもない方向に導く可能性がある。 経済学系の人が金融政策をトッププライオリティに置くのは仕方ない(というか当然である)が、それが成功するかどうかは適切な再分配政策・社会政策が行われるか否かにかかっている、ということは常々強調しておくべきだと思う。公務員や高齢世代の「既得権」を批判する文脈で金融政策が支持・推進さ