時計の心臓部 <テンプの動き> < テンプの動き > 現在のガンキ車、アンクル、テンプから成る調速機構(脱進機:エスケープメント)は、16世紀から続いている時計学が生み出した知識の集大成です。 それは豊潤な果実のように成熟し切っていて、もうこれ以上の改良はありえないのではないだろうかと思わせるほど完成しています。 さあ、いよいよ時計動作のクライマックスであるテンプの説明をする時がやってまいりました。 テンプはおおざっぱに言うと車輪のような円形の金属(天輪:てんわ)と、その中心を通って横たわっている橋のような形をしたもの(天輪のアーム)、そして円の中心の軸(天真:てんしん)にいろいろと付属品がくっついて形作られています。 ※注 左下の図(テンプの断面図)は、わかりやすくするためにかなりデフォルメされています。実際の天真は、もっと短いです。 ●ヒゲ 天真に固定されている「ヒゲ」(ヒゲゼンマイ)