横浜と大阪両市の教育委員会が選んだ、2016年度から市立中学校で使う社会科教科書(歴史、公民)はどのような内容なのか検証する。 育鵬社版の見本本が、日本教育再生機構を通じて販売されている。以前のように市販本の体裁を取らず、見本本そのものを販売するという、新たな手法だ。この点について、同機構の八木秀次理事長は「今回からそのようなことが可能になった」と強調している。「育鵬社版歴史・公民教科書出版記念&採択に向けた集い」(5月13日)の冒頭発言でだ。 文部科学省による採択向け活動の規制では、教育委員会関係以外の公立学校教員への見本本の無料配布を禁じている。一方で、見本本の販売を禁止する規定がないことが以前から判明していた。その盲点を今回突いた形だ。 だが同時に、これで同機構は見本本の販売・普及活動の当事者となり、独占禁止法による公正な販売競争の規制対象に含まれることになった。4年前の採択直後