代替性の高い貿易財であれば、国際競争は生じる。開発途上国にある労働集約的な軽工業は、途上国間で熾烈な競争があると考えられる。しかし、先進国と途上国の間で国際競争は大したものでは無く、むしろ補完的だ。また、非貿易産業に従事している労働者の間では、競合関係にはなりえない。 アパレルの生産小売業者であるファーストリテーリング社のブランド「ユニクロ」のビジネスを分解してみよう。途上国で衣類を生産してもらい、先進国などで販売している。トマトは黒歴史だから言わなくていい。ユニクロに卸している工場は厳しい国際競争があり、労働者の賃金も均質化していくのであろう。しかし、ユニクロの店舗の店員は、国際競争にさらされるのであろうか? 労働者は、そうは国境を越えられない。言葉の壁もある。貧乏なミャンマー人を日本のユニクロの店舗で時給100円で働いてもらう事は不可能であろう。語学留学などでやってきた中国人は、安い賃