浜田青陵『考古学入門』は刊行当時の考古学入門書としては屈指の名著で、今なお色あせない魅力を放っています。 講談社学術文庫本(後述)とツーショット。 わたしのなかでは、短い間に驚異的なペースで増刷を重ねた本としても印象に残っていて、奥付にはこうあります。 昭和十六年十月一日発行 昭和十七年三月一日六十三版発行 五か月の間に「六十三版」・・・!おまえは村上春樹か。 実は、本書が講談社学術文庫に収録された際に、小林行雄氏が巻末の解説で、なんと、この同じ「六十三版」に言及しているのです。 『創元選書』本の『考古学入門』は、あらためてたいへんな好評を博した。たまたま、手もとにある昭和十七年三月発行本を開くと、奥付に六十三版と印刷してある。わずか半年あまりのあいだにも、これだけ版をかさねたわけである。昭和十六年十月といえば、真珠湾攻撃の直前にあたるが、あのあわただしい世相のなかにあって、軍国主義とは無
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