その日の鎌倉駅は、秋の美しい古都を楽しむために、世界中からやってきた観光客でごったがえしていた。ぎゅうぎゅう詰めの江ノ電に乗り換え、由比ヶ浜の方角に向かう。和田塚駅を降りると観光客は魔法のように消えていて、街は休日らしいゆるゆるとした空気に包まれていた。 あいにくの小雨だったが、朝からワクワしていた。なにしろ、年に一度の“フェス”に向かっているのだ。フェスと言っても、ロックではありません。その名も「かまくらブックフェスタ」。本の祭典でございます。 大きな樹木の庭がある古民家が、目指す会場。古民家でブックフェスなんて鎌倉らしいなと思う。縁側で靴を脱ぎ、「お邪魔します」と声をかけた。中では、数人がくつろいだ雰囲気でお客さんを待っていた。午前中はまだ人が少なく、ああ、早く来て良かったと思った。 「本」にまつわるイベントは、今や日本全国で行われているが、「かまくらブックフェスタ」の最大の特徴は、参
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