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ブックマーク / www.nippon.com (6)

  • 本屋を失った街に三省堂書店が現れた日―北海道の留萌ブックセンター(上)

    人口2万5千人の留萌市から屋が消えたのは2010年12月。それから7カ月後、人口30万人以上でないと出店しないルールを持つ三省堂書店が出店した。それはどうしてだったのか。 4月だというのに、その日は雪がちらついた。地元の人は5月の連休が明けるまではスタッドレスタイヤを外さないという。ゆったりとした坂道を登りつめると、眼前に日海が広がる。北海道の西端にある留萌の海岸からは水平線の下へと沈むまん丸で真っ赤な夕陽を見ることができる。 留萌の坂道 美しい地名はルルモッペ(=潮の静かに入るところ)というアイヌの言葉に由来する。明治期ににしん漁により港町として留萌の地が拓けた。炭鉱業も栄え、1910年には留萌線が開通、続いて1932年には留萌港が竣工した。 昭和の頃、正月ともなると、新年を祝う人たちがこの坂道をぎっしりと埋め尽くしたものですよ。 タクシーの運転手が問わず語りに聞かせてくれた。通り

    本屋を失った街に三省堂書店が現れた日―北海道の留萌ブックセンター(上)
  • 本好きが暮らす西荻窪で生き残った最後の書店-東京「今野書店」

    コロナの時代、は人に求められている。書店の社長は、そのことを実感したという。小さな総合書店に選書力を加味したハイブリッドで活路を見出した、52年の物語。 あたたかにきらめく空間 緊急事態宣言が解除されるという日の午後。向かったのは、JR中央線の荻窪駅と吉祥寺駅の間、西荻窪駅界隈の商店街だ。小さな居酒屋やレストラン、バーが軒を連ねる。商店街といっても地域のバスが走り、街路灯に昭和の風情が残る。商店街の入り口、ビルの1階に今野書店の緑の看板が見えた。 華やかなファッション誌の表紙がずらりと並び、ときめきを誘う。右手には賞にノミネートされた文芸作品を始め、話題のが積み上がる。新しい独特の匂いを漂わせている。 オレンジ色の照明、低い音で流れるジャズ、音が響かないカーペットの床。アクリルや白の展示棚はあたたかな空間に透明な輝きを加えている。 あちこちの棚の前で客がを読みふけり、レジ前にはソ

    本好きが暮らす西荻窪で生き残った最後の書店-東京「今野書店」
  • 13坪の「小さな総合書店」が18年間生き残った理由-福岡「ブックスキューブリック」

    ルポ『だれが「」を殺すのか』で、ノンフィクション作家佐野眞一氏が書店業界の構造問題を明らかにし、出版不況の現実を読者に突きつけたのは、2001年だった。同じ年、福岡では大型書店の出店ラッシュがピークを迎える中、逆風に立ち向かうように、わずか13坪の書店が誕生した。18年が過ぎ、その書店は今も元気にを売っていた。 だれが「」を殺すのか  同書によると、取次と呼ばれる問屋からの「自動配」に頼る屋が増えた結果、金太郎飴状態になったことを始め、いくつかの複合的な理由により年間千軒以上もの書店が廃業に追い込まれた。「自動配」とは、書店に届けるのラインナップや冊数を取次が書店の意向を反映せずに決める配方法のことだ。 また、一方で、大型書店が全国展開する流れが加速した。例えば福岡市では、1990年代後半、商業の中心地区天神に丸善、リブロ、八重洲ブックセンター、ジュンク堂が相次いで出店し、

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  • アニメ制作の現場が今直面する「危機」

    新海誠監督の『君の名は。』が国内外で大ヒットするなど、アニメーション業界は活況を呈している。だが、アニメ制作の現場は劣悪な労働環境にあり、このままでは日発アニメの将来は危ういという。 日アニメ市場拡大の裏に 海外セールス、ビデオ・DVD売り上げなどを含めた日のアニメーション市場は2015年に1兆8255億円と過去最高を記録、16年には2兆円規模に達したと推定される。新海誠監督の『君の名は。』(16年8月公開)は国内アニメ映画では宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』 (01年) に次ぐ歴代2位の興行収入をあげ、戦時下の広島・呉を舞台にひたむきに生きる女性を描いた片渕須直(かたぶち・すなお)監督の『この世界の片隅に』(16年11月公開) はロングランヒットとなった。 さらに明るい話題として、17年6月、フランスで開催されたアヌシー国際映画祭で、湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』が長編部

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    fiblio
    fiblio 2017/07/21
  • 米大統領選に見るコミュニケーションの妙味—マルチタレント・パックンに聞く

    米大統領選の投開票が11月8日に迫ってきた。日のTV局の依頼で10月第2回討論会を取材し、帰国したパックンにコミュニケーターとして討論の分析や感想、スピーチのコツ、20年の在日経験から日米のお笑い業界の比較について聞いた。 パトリック・ハーラン Patrick HARLAN 通称パックン。 米・コロラド州出身、1970年生まれ。コメディアン、俳優、声優、司会、DJとしても活躍。東京工業大学非常勤講師も務めるマルチタレント。ハーバード大学卒。2016年7月に『大統領の演説』(角川書店)を上梓。 ヒラリー対トランプ討論会の舞台裏——ニッポンドットコムの新装スタジオによくいらっしゃいました。米ミズーリー州セントルイスの第2回大統領選討論会を取材してこられた直後と伺いました。最終盤で熱を帯びていましたか? パックン  面白かったです。世界各国から集まっている報道陣と同じ空気を吸いながら、みんなで

    米大統領選に見るコミュニケーションの妙味—マルチタレント・パックンに聞く
  • 出版崩壊

    この落ち込みはどこまで続くのか 何も言わずグラフを見ていただくだけで、日の出版の世界がどのような状態に置かれているか、お分かりいただけると思う。 書籍、雑誌合計の出版販売金額は、高度成長期以降、一貫して高い伸びを続け、オイルショック下でも成長を続け、バブル経済崩壊でも膨らみ続けて、1996年、2兆6563億円に達した。高度成長期初期の1960年に比較すると実に28倍。その間、対前年比で落ち込むことは一回もなかったのである。 しかし、この時をピークに転落が始まる。以来、17年間で36%落ちて2013年には1兆6823億円。2014年も月ベースでは前年同月比でマイナスが続いており、通年でも前年割れは確実である。その結果、バブル前の80年代前半の水準にまで戻ってしまったのであるが、まだ落ち足は止まっていない。 ピークからの下落率をみると、書籍の28%減に対し、雑誌は42%減。雑誌の場合、98年

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