推定1兆円といわれる巨大経済圏を成した『鬼滅の刃』。その成功の要因は、コンテンツ業界でも重要性が高まっている「LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)」にあった。2021年10月に新著『推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来』を上梓(じょうし)したエンタメ社会学者の中山淳雄氏が解説する。 (『推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来』第2章の一部を抜粋・再構成したものです) 『鬼滅の刃』に見るライフタイム志向 デジタル化でデータ収集が可能となり、ユーザーとコンテンツの関係が明確に「進化」した点がある。それはユーザーの行動が数字としてトラッキングされ、アーカイブとしてずっと残されるということだ。 このデジタルの最大の利点(かつ時に欠点となる)を捉え、ビジネスに生かそうとする概念がある。それは「LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)」である。あるユーザーが、
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