ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)は、どのようにサンプリングして「Block Rockin' Beats」を作ったのか? アルバム『Dig Your Own Hole』に収録されているこの曲では、バーナード・パーディ「Changes」、ザ・クルセイダーズ「The Well's Gone Dry」、Schoolly D「Gucci Again」をサンプリングしています。 サンプリング用の楽曲を備えたレコードストアのTracklibは、YouTubeで展開している「Sample Breakdown」シリーズの新作として、どのようにサンプリングしているかを視覚化して解説した映像を公開しています ■Sample Breakdown: The Chemical Brothers - Block Rockin' Beats
楽器業界ではFM音源というとヤマハの「DX-7」に代表されるデジタルシンセがイメージされますが、一方でそのヤマハ社の音源チップによってコンピューターゲーム機の音楽や携帯電話の着メロの世界にも大きな影響を与えました。 ピアノから音楽の道をスタートしながらシンセではなく音源チップからFMを究めた作曲家の古代祐三さんに、現代のFMシンセ「opsix」について印象を伺いました。 古代祐三(こしろ ゆうぞう) 主にコンピューターゲームの音楽を手がける作曲家、ゲームプロデューサー。ゲーム制作会社株式会社エインシャント代表取締役社長。代表作に『イース』、『イースII』、『ソーサリアン』、『アクトレイザー』、『シェンムー』、『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』、『世界樹の迷宮』他。 株式会社エインシャント ──古代さんとシンセ、そしてコルグとの出会いなどお願いします。 最初に買ったのがコルグの「
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 検索すれば、ファミコン風にアレンジした曲が多数ヒットする。これは音楽の知識があり機材などが整っている人が独自に編曲したものが多い。しかし、ファミコン音楽特有の制約を破っているものがほとんどだ。 ファミコン音楽特有の制約とはなにか。ファミコンに搭載される音源チップの機能が制限されているため、ファミコン音楽では一度に同時に鳴らせる最大同時発音数が限られる。その最大同時発音数は4音で、方形波2音、三角波1音、ノイズ1音と音の種類も決まっている。ファミコン音楽には、最大同時発音数4音の制約が存在するわけだ。 そこで今回は、ファミコン音楽の制約を守り、音楽未経験者でも気軽にファミコン風音楽へ自動編曲
ユークリッドのリズムという音楽理論について論文を読んだのでここにその内容をメモしておきます。 はじめに ユークリッドのリズム(Euclidean Rhythm)はコンピュータサイエンティストのGodfried Toussaint氏が提唱したリズム理論です。この理論によると、民族音楽などで聞かれる複雑なリズムパターンのほぼすべてを簡潔な数学的方法で記述できるとのこと。なかなか面白そうですね。 DTMの分野ではこの理論に基づいたリズムジェネレーターなどもすでに作られており1)Reason用のEuclidean Rhythmsというシーケンサーや、HornetのHATEFISh RhyGeneratorなど。、ギークな界隈では比較的よく知られている話のようです。 理論の概要は論文(pdf)で公開されています。本項はそこからオイシイと思われる情報をまとめたものです。 なお上論文は前知識なしでも読め
※教員の所属・役職及び学生の学部・学科・学年は取材当時のものです。 HOME > リレーエッセイ > モジュラーシンセの魅力 クリエイティブデザイン学科の長崎です。幼少のころから音楽や身の回りの音がとても大好きで、業務や研究も音に関わりのある分野に進んでしまいました。今回は趣味の「モジュラーシンセ」をご紹介したいと思います。ひとことで言えば、音を作るための電子楽器です。楽器といっても、王道のピアノやギターとは違った側面があり、私はモジュラーシンセに出会ってから、その奥深さにすっかり夢中になっています。 モジュラーシンセってどういうもの? 映画に出てくる時限爆弾のような外見が気になりますが、少し歴史をご紹介します。モジュラーシンセは、電子回路で音を作ったり合成したりする研究の実験用機材として、主に大学や企業で使われていました。音を鳴らすには膨大な事前の準備が必要で、どちらかというとエンジニア
ディギング、カセットテープ、そしてカルチャー 人々の心を掴んで離さないLo-Fi Hip Hopサウンド。ウォームでファジーなビートと、グリッチなアレンジ、ジャジーさをブレンドしたこのジャンルは、2000年代半ばからゆっくりと、しかし着実に人気を集めていきました。全ての音楽ジャンルには、その誕生にかかわる人、場所、機材が織りなすストーリーがあります。これから、日本で生まれた小さな箱型の製品が、いかにして世界を座巻していったのか?に関する、ストーリーを読み解いていきましょう。 PART 1 THE ORIGIN 日本、1990年代中頃 90年代中頃、音楽シーンには多くの変化が訪れていました。人々はクラブやフェスに群がり、DJカルチャーが台頭。以前に比べるとツールも安価になりはじめたことから、より多くの人々が音楽制作の世界に足を踏み入れはじめた時期でした。ここから現在のカルチャーを形成する礎が
『Second Language』。ベルリンを拠点にするミュージシャンMinor ScienceことAngus Finlaysonによる同ファーストアルバムは、物事の状態を再利用して発展させて、複層的に変容させることを重視した作品だ。 音的には、IDMへの歓迎すべき回帰であり、複層的で変化に富む機敏なビートへ独創的に使われるサンプルが散らされている。 元ジャーナリストとして、Finlaysonは探求心旺盛な性格と嬉々とした好奇心を音の世界にも注いできた。とくに顕著だったのが、多くの音源に対してだ。 それにより導かれた作業から産出された作品は、サンプル、フィールドレコーディング、再利用した楽曲といった数限りない音源カタログから形成され、テーマの主軸には“複数の異なる言語とその言語の複雑怪奇な関係”というコンセプトが据えられた。 『Second Language』の印象で何よりも重要なのは、入
圧縮ファイルのMP3は、WAVなどの非圧縮ファイルに比べて容量が軽く、データ送信や持ち運びなどの点でメリットがあるため、一般的に広く利用されています。ファイルが圧縮されているMP3ですが、WAVに比べて、いったい何が失われているのでしょうか?その違いを知るために、MP3とWAVをカッティングして、聴き比べてみました。 多くの音声成分が失われてしまうMP3 音楽メディアsoundropeで、「オーディオフォーマットの聴き比べクイズ」を紹介したことがあるのですが、筆者がこのクイズでMP3とWAVを聴き比べてみたところ、なかなか違いはわかりませんでした。 オーディオファイルの聴き比べでは、音質の変化を認識するのは難しいのですが、Ryan Patrick Maguireの作品「moDernisT_v1」では、MP3へ変換した際に失われる音声をわかりやすく理解することができます。この作品は、スザンヌ
自作の名アナログシンセサイザーを演奏する動画がTwitterやYouTubeで公開され、話題になっています。シンセサイザーの名前は「Prophet-4」(プロフェットフォー)。 約40年前に発表され、YMOはじめ多くのミュージシャンが愛用した「Prophet-5」をほぼ再現しています。その再現度の高さにSNSユーザーのみならず、シンセマニアや楽器業界の関係者も驚きの反応を示しています。 そこでProphet-4の作者に開発の経緯、そしてArduinoや3Dプリンターを活用して再現したという制作秘話を、自身もシンセマニアで1980年代の音楽に造詣の深いpolymoogさんが取材しました。 ※本取材はオンラインで実施しました。(編集部) Prophet-4とは何か 1978年発表のSequential Circuits(※1)「Prophet-5」は、ポリフォニック(※2)&プログラマブル(※
誰よりもアーティストの近くで音と向き合い、アーティストの表現したいことを理解し、それを実現しているサウンドエンジニア。そんな音のプロフェッショナルに同業者の中村公輔が話を聞くこの連載。高山徹の前編ではフリッパーズ・ギター、Cornelius、METAFIVE、Charaの話を中心に聞いたが、後編ではくるり、ASIAN KUNG-FU GENERATION、sumika、indigo la End、スピッツ、Chara+YUKI、竹原ピストル、フジファブリック、HAPPYにまつわる話をお届けする。「こだわりはない」と言い続ける高山だったが、インタビューの最後にようやくその音作りに秘密が明らかに。 取材・文 / 中村公輔 撮影 / 藤木裕之 構成 / 丸澤嘉明 くるりのレコーディングでオフマイクの重要性を意識──くるりは作品によってどんどん作風が変わっていきますが、間近に一緒に仕事をして岸田さ
というスペックが詰まっており、それを内部の搭載のコンピュータが制御する形となっているのです。 コンパクトなサイズに機能が凝縮されたmidiglue たとえば「MIDI 端子を持たないUSBキーボードを使って昔のSC-55mkIIなどのMIDI音源モジュールを鳴らしたい」という場合、通常はPCを接続し、DAWを起動し、MIDIのセッティングをして……という手順が必要となりますが、midiglueに双方を接続すれば、それで簡単に鳴らすことが可能です。 midiglueのフロントパネル、MIDI入出力が1系統、アナログ入出力が2系統ある また、3.5mmのアナログ入出力はCV/GATEやSYNC信号の入出力としても使えるため、これを利用することで完全にアナログ端子しか持たないシンセサイザをMIDI化させることが簡単にできるし、それをPCと接続してDAWと連携させる……なんてことも容易にできるとい
ゲームミュージック界のレジェンド、古代祐三氏(@yuzokoshiro)をはじめとする、豪華作曲陣が参加されたアクションゲームの金字塔「Streets of Rage 4」で実際に使用された、Roland TR-909のサンプル(実機収録)です。 詳しくはこちらの記事をご覧ください:Streets of Rage 4で使用されたTR-909ドラムサンプルレビュー 商用・非商用ともに楽曲制作に使用可能となっておりますので、是非是非使ってみてください。 ※そのままの形、または改変して営利目的での再配布は禁止されています。 I’m willingly providing the sample packs of the TR-909 programmed by quad-san that used actually in my tracks of SOR4. You need the Kontak
MIDI 2.0規格について MIDI 2.0規格の目的は、MIDI 1.0規格(1983年)以降の技術の進歩や社会の変化に対応することで、更なる音楽業界の発展に貢献することである。MIDI 2.0規格は現行のMIDI 1.0規格の置き換えでは無く、MIDI 1.0機器との共存・共生を基に、さらに拡がっていくMIDIの世界を創るための規格である。この世界を実現するために、MIDI 2.0規格は双方向通信による問い合わせの機構(MIDI機器間ネゴシエーションと呼ばれる)を前提に設計されている。MIDI 2.0規格で追加される新しい機能は、規格書「MIDI機器間ネゴシエーション」によって定義されている。双方向に接続されたMIDI機器間で互いに利用できる機能を問い合わせの上で実行する。もし、接続先の機器が新しい機能に対応していなければ、その機能についてはMIDI 1.0の範囲で動作する。このよう
イギリスのメトロポリス・スタジオはレコーディングやマスタリングなどの複合施設を持つヨーロッパ最大の独立系スタジオだ。創設以来約25年、クイーン、マイケル・ジャクソン、ローリング・ストーンズ、U2をはじめとする数多くのアーティストがここで音楽制作を行い、UKトップ40チャートの半数を占める曲には何らかの形で「メトロポリス」が関わっているとも言われている。 今回、エミー・ワインハウスやエド・シーランを手がけるスチュアート・ホークス、セックス・ピストルズを手がけたティム・ヤング、レッド・ツェッペリンの一連のリマスタリングを担当した一流エンジニアのジョン・ディヴィス氏が来日。特別インタビューで、いまの音楽業界やスタジオが抱える現状について、舌鋒鋭く問題点を炙り出してくれた。 ■ロンドンにおけるマスタリングのトレンドは? ーー来日は今回で何度目ですか? ジョン・デイヴィス 今回が初めて。日本滞在をす
新年、明けましておめでとうございます。2020年の元旦から歌声合成の世界での新サービスのニュースです。ちょうど1年前「VOCALOIDの競合となるのか?中国人天才少年が開発した歌声合成ソフト、Synthesizer Vの破壊力」という記事とともにデビューしたSynthesizer Vが、Webブラウザで動作するWeb Synthesizer Vとして新たに誕生しました。これはWindowsでもMacでもWebブラウザ(Google Chrome推奨)で動作する歌声合成ソフトで、ピアノロール画面でメロディーを打ち込み、歌詞を入力すれば歌わせることができるというもの。 Web Syntheseizer Vのページを開くだけですぐに使うことができ、インストールも不要。そして何より、無料で誰でも使うことができるというのが大きなポイントです。開発しているのは東京都内にあるスタートアップ企業、Drea
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