■ディック・ファン菊池誠・阪大教授 SF作家、フィリップ・K・ディックの小説をもとにした、マット・デイモン主演の最新作「アジャストメント」(ジョージ・ノルフィ監督)が公開される。第三者によって運命が操作されていることを知った主人公が、それに立ち向かう姿を描く。ディックの著書を翻訳した経験を持つ大阪大学サイバーメディアセンター教授、菊池誠さんは「くすっと笑え、おいとツッコミを入れたくなる。そんなディックらしさを生かした映画」と話した。(橋本奈実) 設定はシリアスだが“ツッコミどころ”が満載。運命を操作する局員のミスを機に物語は展開するが…。菊池さんは「ちょっと間抜けな導入。ディックっぽいと思いました。これは、笑っていい映画なんですよ。見終わった後も、みんなで笑いながら語れる」。 原作は短編。脚本も務めた監督が、膨らませた部分が多い。だからこそ、菊池さんは言う。「完全にシリアスに作ろうと