肥満には、生活習慣だけでなく、遺伝的な要因も関係する──。人の遺伝子の中には肥満に関連する遺伝子、いわゆる“肥満関連遺伝子”が存在することが最近の研究により明らかになってきた。 この遺伝子があると、エネルギーの代謝などに影響するため、肥満関連遺伝子がない人に比べて太りやすくなったりする。人では現在、50を超える肥満関連遺伝子が報告されている。 50以上もある肥満関連遺伝子だが、日本人の肥満に関係しているのは主に3つの遺伝子であることが吉田俊秀氏(京都府立医科大学臨床教授、京都市立病院糖尿病・代謝内科部長)らの研究により分かってきた。その中で最も多いのが「β3アドレナリン受容体(β3AR)」の遺伝子の変異で、日本人の約34%がこの遺伝子タイプを持っているという。 β3ARは脂肪組織などに存在し、そこに蓄えられている中性脂肪を分解する役割を担っている。体がエネルギーを必要とすると、アドレ