老化に伴い顕著になりがちな震えの症状「本態性振戦」を研究した。グループによると、65歳以上の14%に症状が見られ、高齢者が働き続ける上で、職種によっては大きな障害になっている。 研究では、細胞内でタンパク質の輸送に関わる「クラス2 アーフタンパク質」を作れないマウスを用意して観察。このマウスは起きている時だけ常に首や前脚が強く震えた。詳しく調べたところ、小脳から神経細胞が送り出す電気信号が弱まっているという異常を確認した。 電気信号が弱まったのは、神経細胞から次の神経細胞に伸びて信号を伝える突起の付け根部分で、細胞外からナトリウムイオンを取り込むタンパク質の一つ「Nav(ナブ)1.6」が失われていたことが原因と判明。このため、Nav1.6の欠損によってナトリウムイオンを基にした信号が極端に弱まり、運動の制御が困難になったと結論付けた。
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