1980年代後半から新事業立ち上げの研究やコンサルティングを手がけつつ、現在は多摩大学大学院客員教授としてMBAコースで起業家育成にも携わる本荘修二氏。30年近くベンチャーの興亡をつぶさに見てきた同氏は、現在の日本の事業創造環境をどう見ているのか。事業創造を活性化するために、当事者に必要なこと、社会に求められることを聞いた。 日本の起業環境で必要なこと ——長年、ベンチャー動向を追ってきていらっしゃいますが、起業環境などに関して日本はどういった経緯をたどって現在に至っているのでしょうか。 本荘: 戦後復興期にソニーやホンダが生まれた時期から高度成長期を経て大企業中心になり、中小企業の比率は高いけれども、そこに活力があるというよりは下請けになってしまった。結局、アントレプレナーシップがじりじりと失われていったわけです。 昔はいいと言われていた日本的経営もあぐらをかいているうちに劣化して、社内