芸術競技において審査過程の公平性を確保することは重要な課題である.本論文では,審査結果に意図せざる形で偏りが存在しているか否か,存在するとしたらどの程度影響を与えているのか,という問いに対して全日本吹奏楽コンクールを事例として分析を行った.分析の結果,演奏順が後ろであればあるほど有利であるという “overall order bias” と,一つ前の演奏団体のパフォーマンスから影響を受ける “sequential order bias” が存在することが示された.
近年,マインドフルネスが効果をもたらすためには,他者に害を及ぼさず,思いやることを良しとする倫理(危害/ケア)を必要とする知見が提出されている。また,危害/ケアを欠いた場合,マインドフルネスが有害な結果をもたらす可能性が指摘されている。本研究では,想定される有害な行動として能動的攻撃を取り上げ,マインドフルネスと能動的攻撃の関連に対する危害/ケアの調整効果を検討した。大学生179名を対象とした質問紙調査を実施し,階層的重回帰分析を行った結果,危害/ケアが低い場合,マインドフルネスが高いほど,能動的攻撃性が高かった。この結果より,マインドフルネスは危害/ケアが欠如した中では有害な行動にむすびつく可能性が示唆された。以上を踏まえて,今後の研究では,マインドフルネスにもとづく介入による有害事象の可能性を検証する必要性が示唆された。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く