2014-03-18 騎士ガウェインの結婚 トマス・ブルフィンチ『中世騎士物語』(野上弥生子訳、岩波文庫)の「アーサー王とその騎士たち」の物語を読みながら、ふと思ったのは、「あ、これって、剣と魔法の物語、つまりヒロイック・ファンタジーなんじゃない?」ということだった。 その中に、騎士ガウェインの結婚をめぐるエピソードがあるが、この話には、ある種の知恵というか、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる男女間の「視差」(parallax)の問題が、目からウロコが落ちるような形で描かれていて、実に新鮮だった。 騎士ガウェインはアーサー王の甥で、「賢明で礼儀に篤いガウェイン」として性格づけられているという。 話の前半は、アーサー王の勧善懲悪の冒険とまさかの敗北、そして条件付きの解放から成る。 ある時アーサー王が愉快なカーライルの都に法廷を開いていたときに、一人の乙女が現れて、彼の庇護を懇願した。
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