福島第一原発の爆発事故から11年。廃炉に向けて3、4号機では核燃料の取り出しが完了したものの、1、2号機ではいまだに始まってすらいない。この11年間、過酷な現場で地道な作業を行ってきたスタッフの中には、20代、30代の若手技術者も少なくない。彼らは廃炉に向けてどのような作業をし、何と闘っているのか。苦闘の日々を取材した。(ジャーナリスト・小川匡則/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 神奈川県横浜市の港湾地区にある東芝エネルギーシステムズ。東芝でエネルギー関連の事業を担う同社は、福島第一原子力発電所の廃炉作業も行っている。 「東日本大震災の当日もここ(横浜)で働いていたんです。その時は、まさかここまでの事態になるとは思わなかったですね……」 原子力機械システム設計部のスペシャリスト、園田旭胤(あきつぐ、40)は11年前のあの日をそう振り返る。当時、入社4年目で各地の原発のメンテナ