わたしは、この修道院に捧げられたものですから…… 今となってはその言葉が、余の内側に何故あれほど触れたのか、それさえ定かならぬが――その言葉を発したのも、聞いたのも、共に13歳の少年だった。 あれからいったいどのくらいの月日がたったのか……30、いやもう40年近い。余も年をとるわけだ。 我が息子ルイよ、そなたは幾つになった。 もうすぐ14歳? ほお、ならばちょうどいい。では、今日は父とその無二の親友であるシュジェールが出会ったころについて話して聞かせよう。 そなたも知ってのとおり、余は一年と短い期間であったが、我がフランス王家の菩提寺である聖ドニ修道院で学んだことがある。パリ司教であった聖ドニが異教徒に斬り落とされた首を抱えて歩きながら説教を続け、ついに倒れ臥した場所に建立された聖堂の御威徳については、そこに住まうそなたのほうが詳しいことだろう。またそこで、さきの言葉を口にしたシュジェール