内容紹介 19世紀イングランドの地方貴族サー・アンドリュー・マルボーは、人知れぬ母との秘密と愛する芸術への葛藤を抱えながら遊学の旅へとおもむくが……。ゲーテ、バイロン、ターナーといった文人墨客との華麗な遍歴を描く、鬼才ヒルデスハイマーによる架空の伝記。 著者・訳者紹介 ヴォルフガング・ヒルデスハイマー(Wolfgang Hildesheimer) 1916年ハンブルク生、1991年没。ドイツの小説家・劇作家。1933年ナチス政権誕生直後に、両親とともにイギリスに移住。第二次大戦中はパレスチナでイギリスの情報将校。戦後、ニュルンベルク裁判の同時通訳者として帰国。画家志望に反し、後に短編小説集『愛情なき伝説』(1950-62)に収められる作品で作家として有名になる。孤独な男の一夜の独白小説『テュンセット』(1965)でゲオルク・ビュヒナー賞ほかを受賞。伝記的エッセイ『モーツァルト』(197
※本書収録の巻頭作「クヴァドラトゥリン」電子書籍版を公開しております。くわしくはこちらへどうぞ 内容紹介 新国家ソ連における日常的現実のひとこまから、奇想の世界が現出する。 リアルかつ奇妙なイメージに快く翻弄されるうち、存在論的・認識論的な問題にまで、読者の思考は駆動されるだろう。 近年、世界が「再発見」した異能の作家の短篇集。 ●目次 ・クヴァドラトゥリン 「マッチ箱」のような狭い小部屋に暮らす主人公ストゥリンのもとに、謎の男が現れます。 「部屋を拡張する薬」だといって渡された「クヴァドラトゥリン」をストゥリンが使ってみると…… ・しおり 散歩の途中で語り手が出くわした一人の男。彼、「テーマ捕り」は、良き聞き手たる語り手を前にして、次々と物語を語っていきます。 ・瞳孔の中 恋人の瞳にうつる自分自身の姿。しかしもしそれが自分そっくりの「小人」で、恋人の瞳の中をすみかにし
小説シリーズ「東欧の想像力」第3弾は、現代ハンガリーの作家エステルハージ・ペーテルの、『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』です。 『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし 〜ドナウを下って〜』 エステルハージ・ペーテル 著 早稲田みか 訳 この本の内容 ドイツの黒い森(シュヴァルツヴァルト)から黒海まで、中央ヨーロッパを貫く大河ドナウ川。その流れに沿って町から町へと移動する「プロの旅人」が、本書の主人公です。彼は、行く先々から雇い主に向けて、旅の報告書を送ります。しかしその内容は、旅行報告の義務を平然と無視し、時空を超えて自在に飛躍します。 メスキルヒではハイデッガーを訪問、ウルムではヒトラーとシュタウフェンベルクがフナを食べているあいだにロンメルがのどに骨をつまらせて窒息死、デュルンシュタインでは獅子心王リチャードが見習いコックとなって……さらにトリアノン条約、鉄のカーテン、凍てつ
内容紹介 アメリカ合衆国はその建国以来、すべての世代が大規模な戦争を経験している。本書は、独立革命からベトナム戦争まで、アメリカがそれぞれの戦争をどのように記憶してきたか(と同時に、何を記憶してこなかったか)を通史的にたどる。そこから浮かび上がるのは、戦争の記憶が、アメリカの国民性を形づくるうえできわめて大きな役割を果たしたということである。 アメリカという国をより深く理解するための一助として、また、アメリカを対照例として日本における「戦争と記憶」を考えるために、本書をお勧めいたします。 目次 日本語版への序文 ペーパーバック版へのまえがき 序文 第一章 戦争のなかで創り出された国の記憶 第二章 南北戦争の二つの遺産──記憶をめぐる対立と和解 第三章 「戦争をなくすための戦争」を記憶する 第四章 「よい戦争」としての第二次世界大戦、そして新しい記憶のありかた 第
松籟社は2007年、新たな海外小説シリーズを開始します。東ヨーロッパの小説の数々を、皆様のもとにお届けします。シリーズ名は「東欧の想像力」。第一弾は、旧ユーゴスラビア・セルビア出身の作家、ダニロ・キシュの代表作『砂時計』です。 ※『砂時計』ご購入をお考えのみなさまはこちらへ 『砂時計』 ダニロ・キシュ 著 奥彩子 訳 『砂時計』には、現実に書かれた一通の手紙が取り込まれている。その手紙の中に封印された、歴史的事実の重みを前にして、わたしたち読者は打ちひしがれるが、それと同時に、そのまわりに複雑な虚構の迷宮を築かずにはいられなかった、作者ダニロ・キシュの不屈の精神にも圧倒されるのだ。――若島正 この本の内容 この小説の各章には「旅の絵」「ある狂人の覚書」「予審」「証人尋問」といった題が付けられています。各章はそれぞれ文体・構成・分量が違います。小説にリニアな物語、筋や語りの一貫性を求めて
シリーズ「東欧の想像力」第4弾は、『ハザール事典』で著名なミロラド・パヴィッチの、『帝都最後の恋』です。 『帝都最後の恋 〜占いのための手引き書〜』 ミロラド・パヴィッチ 著 三谷惠子 訳 この本の内容 ナポレオン戦争を背景にした、3つのセルビア人家族の恋の物語、三たび死ぬと予言された男をめぐるゴシック小説、あるいは太古の昔から人間の運命を操ってきたさまざまな極─男と女、生と死、夢と現、光と闇、父と息子、母と娘、肉体と魂、勝利と敗北、破壊と調和─そういったものが交錯する宇宙をさまよう主人公の、自分探しの物語…… もしこの本を、ページの順番どおりに読めば、このような物語が展開されていると、ひとまず言えます。でも、この本の冒頭には、次のような作者からの断り書きがあります。 「本書は、章の順番どおりに読むこともできます。あるいはタロットカードを用いて、タロットが示す順に、それぞれのカードに
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