美術手帖2022年2月号<br>特集 ケアの思想とアート|美術出版社 (bijutsu.press) アートとケア、一見すると少し離れたテーマのように感じられるのですが、同誌の望月かおる編集長は、巻頭言でアメリカの哲学者エヴァ・フェダー・キテイの「他者への依存を不可避とし、偶然とも言える相互依存のなかで、他者のニーズを充たすためにときに奔走する人々の実践から世界をとらえる」という視点を引いて、それは「ケアする側とされる側両方への想像力をうながすようなもの」だとしています。 「現代美術のなかでもこうしたテーマに根ざし、社会のなかであえて蓋されがちなことを、作品という形で声にしてきた作家は多い。」(望月) ケアは、小社が積極的に取り組んでいるテーマの一つでもあります。 しかも、エヴァ・フェダー・キテイと言えば、小社から日本語訳を刊行した『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』ではありませんか。