今日話す内容は10月くらいに出版される予定の「環境学の技法」(東京大学出版会)にのっています。詳しくは、そちらをご覧ください。 0.イントロダクション 様々な自然の物理現象の中で、どうして、ごく一部の変化が環境問題と呼ばれて、特権的な地位を見解を得られるのか、科学的な定説が得られなくても、定説として流布するのはどうしてか?問題というのは人間が決めているものである、ではどういった人為的メカニズムが働き、ある現象が問題化され、ある現象が問題化されないのか。そういうことを考えてみたいと思います。今日は、具体的な例として森林の例を多く使いますが、私個人がタイをフィールドにしているためです。今日の話は、森林に限ったことではなく、様々な問題に応用可能だと思っています。 1.「問題」が反復するとき 様々な問題が反復して起こることがある。例えば、貧困だとか、不平等だとかいう問題は、昔から問題だ問題だと、社