環境の世紀VIII-環境学におけるデータの不充分性と意思決定（松原望）-

１、イントロ：研究の背景 皆さんこんにちは。私の学生時代の所属は基礎科学科の物性物理でした。しかし、社会問題の解決に貢献するために理科系の文転もいいかなと思って、統計学の勉強を始めました。スタンフォードで4年間、そして帰ってきてから世の中のためになるように、私の理科系の学問知識と、社会科学系の知識を生かしたいと考え、研究を進めてきました。その後、原子力のリスクや環境リスクについての研究を橋本道夫先生から進められて始めることになりました。環境問題そのものを総合的に研究することは本当に難しいので、何か１つ専門を持って取り組んでいきたいと考えています。 ２、今日の主題 今日は、環境学におけるデータの不充分性と意思決定判断の問題について、講義していきたいと思います。例えば、昨日、ハンセン病に関わる国家の責任を正式に国民に謝罪しました。これは大事件であります。国民のための政策の主体である国家が謝罪し

[tikani_nemuru_M]

「要するに、統計的に説明できればそれで充分だと言っているのです」　疫学を重視していれば水俣病は相当程度防げたという常識的見解ですね。「作用機序の重視は科学の悪のイデオロギー」というべき。

[yomimonoya]

「どうかみなさん、「データがないから何もしない」ということは、科学の悪のイデオロギーとしてとらえてください」

[kmiura]

"「データが不十分」な状態ですね。したがって、厚生省は患者が出ていながら規制をかけないという期間を30年も費やすことになったのです。" via @sivad

[dimitrygorodok]

"「１例でも非常に重要なことだったら、その１例をうたがうべきだ」と統計学は考えるべき"/こういう時に限って日本の保守はリスクを冒す方を選びがちだから開発独裁的な別名を名乗った方が良いかも?

[athine]

"人の命が関わっているときに、「科学的なデータがないから何もできません」という論理が通用するのでしょうか。"

[keloinwell]

水俣病を例にした、不十分なデータしか得られない時の行政の意思決定留保はよくないという、松原望先生の主張。とってもいいエントリー。必読。

[ma_ko]

"なんのためにサイエンスを勉強しているのか"

[zakinco]

『統計学の立場からすると「１例で判断するな」ということは、ごくあたりまえのことなのですから。しかしこの論理を水俣病のような場合に使ってはいけない､のです。』

[dltlt]

疫学的因果関係論

[heyheyhey]

“「１例でも非常に重要なことだったら、その１例をうたがうべきだ」と統計学は考えるべき”

[takehiko-i-hayashi]

「１例でも非常に重要なことだったら、その１例をうたがうべきだ」これは統計学の否定と捉えるべきではないと思う（メタブへ続く）／「科学の悪のイデオロギー」という表現は科学と行政の領域を混同してるので筋悪

[maturi]

統計学的有意差検定に必死になるより、生データの分布とか見て入力ミスを発見したり外れ値をチェックせいよ、という話を連想　あと津田敏秀『医学と仮説：原因と結果の科学を考える」と似た

[fnorder]

過ぎたるは及ばざるがごとし。ありそうもないものはやはりありそうもない、ということも忘れない。