神戸市は阪神大震災から20年となる来年1月から、震災直後に作成して未整理のままになっている公文書の公開を始められるよう、整理を進めている。避難所運営や国との連絡など、当時の行政の動きや現場の課題が伝わる資料が段ボール約6000箱分。バラバラに閉じられた文書の整理や、劣化して字が見えないファクス用紙の復元など、作業は容易ではない。担当者は「今後の災害時に役立つはずだ」と地道な作業に追われている。 震災関連の公文書は、整理済みのものは開示請求などに応じて公開していたが、段ボール箱に入ったままの大量の未整理文書は「何が入っているか分からない状態」(市企画課)のため、公開できなかった。市は震災20年を機に、順に公開することを決めた。 整理作業は、2010年から市の外郭団体「神戸都市問題研究所」に委託し、市OBで主任研究員の杉本和夫さん(64)や短期雇用職員ら4人が担当している。段ボール箱は、同