社会は感情を社会統制の道具としてわれわれに組み込むようである。 みんなが悲しむことに悲しむように、うれしいことにうれしがるように訓練することによって、社会規範に従うように訓練される。 規範から外れると感情が「泣く」ようにインプリンティング(刷り込み)される。規範から外れている、規格から落ちこぼれていると恐れる感情を組み込むことによって、社会秩序に服従するように仕向けられる。 『感情社会学』を書いた山田昌弘は、子どもに愛情を感じなければならないという感情規則に抗するものとして、近代以前にそんな感情はなかったというフィリップ・アリエスの『子どもの誕生』は生まれたという。 ほかに幽霊の恐怖というのは、われわれが罪を犯した際に恐れる感情として植え込まれたのではないかと指摘する識者もいる。犯罪の抑止として幽霊の恐怖は植え込まれる。 こんにちのうつ病の増加には、社会規範からそれている、要請に応えること