【北京=矢板明夫】中国共産党内の権力闘争に敗れた薄煕来(はくきらい)・前重慶市党委書記が失脚した問題で、薄氏を支持する保守派からの反撃が始まったようだ。北京の大学教師がインターネットで「共産党による薄氏の拘束は違法」との趣旨の公開書簡を発表、波紋が広がっている。一部の改革派もこの主張を支持し、警察へ「告発状」を提出する動きも出ている。 公開書簡を発表したのは北京経済管理幹部学院の女性教師、王錚氏。薄氏が党中央規律検査委員会に拘束された3月中旬以降、インターネットで数回にわたり、呉邦国・全国人民代表大会(全人代)常務委員長(国会議長に相当)宛てに書簡を発表し、「全人代代表(国会議員に相当)である薄氏が共産党の党規に違反したとしても、逮捕権を持たない一政党の部門が彼の自由を奪う権利はない」として、共産党の手法に疑問を呈した。 28日に発表された書簡では、党中央による薄氏への監禁は憲法と刑法に違