ハンガリーのアーデル大統領は5日、中東などからの難民の受け入れを巡り、欧州連合(EU)の政策の是非を問う国民投票を10月2日に行うと発表した。独DPA通信が伝えた。国内では政府の反移民キャンペーンが続いており、国民投票が実施されれば反対が多数を占める可能性が高い。 同国政府は5月、加盟国に受け入れの分担を義務づけた昨秋のEU首脳会議の決定を、国民投票で問う方針を示していた。英国が国民投票でEU離脱を決めた勢いを利用し、EU首脳や独仏など主要国を揺さぶる狙いがあるとみられる。 EUは、基本条約「リスボン条約」で首脳会議などでの決定について定めており、個別の課題で加盟国が国民投票をしても覆すことはできない。ただ、こうした事例が続けば、難民問題に限らず「加盟国の民意無視」というEU批判の火に油を注ぐのは必至だ。(ベルリン=玉川透)