戦時中に日本の工場などで働かされた韓国人元徴用工が新日鉄住金に対して損害賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁判所が訴えを認める判決を出したことは、日本国内に大きな反発を生んでいる。日本政府は、日韓基本条約等によって個人請求権の問題は完全に処理されていると主張し、日本の主要なメディアもこれに同調している。 この問題には法律的側面と政治的側面がある。法律面から見れば、日本政府の主張は日本で広く受け入れられている。日本による植民地支配や侵略戦争の被害者が日本政府に補償を要求し出せば収拾がつかなくなるので、国交正常化の際に政府間で話を付けたというのが日本の言い分である。しかし、個人が訴える権利までは否定していないという外務省の答弁が国会の議事録に残っている。また、韓国の最高裁判決について大統領に抗議するというのも奇妙な話である。司法の独立は近代国家の大原則であり、大統領にはこの判決を覆す資格はない。あ
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