『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』(神崎亮平著、岩波書店)を読んで、素直に驚いた。こんなことができるのか。こんなおもろい研究があるのか。若い頃に戻れたら、こういう研究をしてみたい。いずれ役にたつ、と書かれているが、そんなことはどうでもいい。純粋におもろい研究だ。 絹産業の歴史があるので、いまはかなり廃れているとはいえ、カイコガを用いた研究は日本のお家芸だ。産業的な利用だけではない、絹糸の主成分であるフィブロインというタンパクの遺伝子発現や、最近では、性決定のおもしろいメカニズムなど、世界に誇りうる基礎的な研究も多い。 フェロモンはカイコガの研究で発見された 残念ながら日本人による発見ではないが、フェロモンの存在が最初に示されたのはカイコガである。そして、カイコガのフェロモンは、日本からドイツへと送られたメスのカイコガ50万匹から純化され、化学的構造が決定された。 あの人はフェロモン系だ、
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