NTTは、太陽電池の電力を従来の3倍の効率で利用できる技術を世界で初めて開発した。これにより、太陽電池パネル1枚で、車のバッテリーなど大型電池の充電が可能になるという。今後、屋外用の無線通信機器などに搭載し、システムの拡販につなげるほか、電力需要が高まるアジア地域への技術輸出も計画している。 通常、太陽電池はパネル1枚で約0.4ボルトの電圧で発電し、この電圧を「昇圧回路」と呼ばれる回路で引き上げて電子機器を稼働させる。ただ、これまでは5ボルト程度に引き上げるのが限界で、高電圧が必要な機器の利用には、多くのパネルを備えた発電設備が必要だった。 これに対し、NTT環境エネルギー研究所(神奈川県厚木市)は約0.4ボルトで長期間駆動を続ける昇圧回路用ICを開発することにより、15ボルトにまで引き上げられるようにした。太陽電池は、複数パネルのうち1枚でも日陰に隠れると全体が発電できなくなる問題が