(2009年5月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツから伝わってくる経済統計は、どれも悲観的な展望を示しているかもしれない。だが、ドイツ南部シュツットガルトに住む主婦レジーナ・ヴァルツさん(42歳)にとって、日当たりのいいテラスから眺める世界はそれほど悪いようには見えない。 「危機に関する議論は、あまりに大げさすぎますよ。私たちはこれまでずっと貯蓄してきたし、家族も大勢いる。もし今騒がれているほど状況が悪化したとしても、何とかやっていけます」 倹約精神と良識を体現する「シュヴァーベンの主婦」 彼女には分かっているはずだ。というのも、5人の子供を持つヴァルツさんは、普通の主婦ではない。「シュヴァーベンの主婦」なのである。 ドイツ人にとって、シュヴァーベン地方の主婦たちは倹約精神と確かな良識を体現する存在だ。アンゲラ・メルケル首相をはじめ多くの人が、世界が近年もっと大切に