「Congratudolences」「condulations」――。 フリッツ・ヘンダーソン氏は米ゼネラル・モーターズ(GM)のトップに急遽就いてから1週間で、友人たちから「congratulations(お祝い)」と「condolences(お悔やみ)」を組み合わせたあらゆる言葉をかけられたという。 25万人近い従業員を抱え、何十年もの間、米国産業の力と同義語だった会社でトップにまで上り詰めたことは、祝辞に値するはずだ。だが、当然のように同情もついてくるのである。 ヘンダーソン氏が3月27日に元上司のリック・ワゴナー氏からCEO(最高経営責任者)昇格を告げられたのは米財務省内でのことだった。ワゴナー氏はその数分前に、プライベートエクイティ出身で、デトロイト自動車産業の再生を担う大統領作業部会の顔となったスティーブ・ラトナー氏から事実上解任されたばかりだった。 「辛かった。それが