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ブックマーク / jbpress.ismedia.jp (318)

  • 時の人:GMの最後の望み  JBpress(日本ビジネスプレス)

    「Congratudolences」「condulations」――。 フリッツ・ヘンダーソン氏は米ゼネラル・モーターズ(GM)のトップに急遽就いてから1週間で、友人たちから「congratulations(お祝い)」と「condolences(お悔やみ)」を組み合わせたあらゆる言葉をかけられたという。 25万人近い従業員を抱え、何十年もの間、米国産業の力と同義語だった会社でトップにまで上り詰めたことは、祝辞に値するはずだ。だが、当然のように同情もついてくるのである。 ヘンダーソン氏が3月27日に元上司のリック・ワゴナー氏からCEO(最高経営責任者)昇格を告げられたのは米財務省内でのことだった。ワゴナー氏はその数分前に、プライベートエクイティ出身で、デトロイト自動車産業の再生を担う大統領作業部会の顔となったスティーブ・ラトナー氏から事実上解任されたばかりだった。 「辛かった。それが

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    fujikumo 2009/04/07
    <GMの何人もの歴代CEOと同様、ヘンダーソン氏も財務畑出身者だ。「会計士であるということに私は呪われている。でも誰もがどこかでキャリアをスタートしなければならない」>GMの新CEOのフリッツ・ヘンダーソン氏
  • 富裕層の勃興と転落:標的にされる金持ち  JBpress(日本ビジネスプレス)

    エジンバラでは銀行経営者の家の窓が石で割られ、フランスでは企業幹部が労働者らに監禁された。ワシントンでは既に支払われたボーナスに90%の税を課す法案が提出され、ロンドンではG20サミットに出席する各国指導者たちが到着する中で大規模なデモが行われた。 今、政治や世界経済に深刻な影響を与えかねない社会の風潮の変化が起きている。 もちろん、現在の大衆迎合的な反発の動きにおいて、富裕層が唯一の標的というわけではない。不況に怯える民衆は、政治家と中央銀行と移民たちにも敵意をぶつけている。だがやはり、高まりつつある怒りの波は、新興の「超富裕な悪党ども」に向けられている。 現代の悪人は、セオドア・ルーズベルトが1世紀前に「泥棒男爵」と呼んだ一握りの米国人と違い、人数が多く、全世界に散らばっている。そして、その大半は、財閥や鉄道のオーナーではなく、バンカーとファンドマネジャーだ。 とはいえ、主題は

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    fujikumo 2009/04/06
    <先進国では、カネの流通速度が速くなればなるほど、経済に占める金融部門の割合が肥大化した。米国経済のピーク時、金融部門は同国内の企業収益の41%を占め、その比率は20年前の2倍以上に>
  • ロンドンサミットの成功 新しい世界秩序への第一歩 JBpress(日本ビジネスプレス)

    ロンドンサミットは結局、大失敗にはならなかった。それどころか、二十数カ国の世界の指導者の集まりは大きな成功を収めた。 確かに、熱心な外交努力にもかかわらず、議長国である英国のゴードン・ブラウン首相は、地球を救ったと主張することはできなかった。 だが歴史家は今回のサミットを、経済的、地政学的な大変動という苦しみの中で、世界が初めてじっくりと鏡に映った自分の姿を見た瞬間として記録するだろう。 複雑すぎる世界 政治をプロセスとしてではなく、1つの出来事として見る人たちは、落胆するだろう。また、サミットが世界経済を立て直してくれると期待する、あるいは期待するふりをしている人たちも同じだろう。世界というものは、24時間ぶっ続けのニュースチャンネルが求めるような即時的な満足をもたらすには、複雑すぎるのだ。 最終的なコミュニケ(共同声明)は、世界の経済危機に対する診断や治療法の違いを浮き彫りに

    fujikumo
    fujikumo 2009/04/06
    後ページの指摘。グローバルに大きな変化のあった時期は、しばしば新興国が現状に挑戦し、それが戦争に結びついた。歴史をふまえれば、だからこそG20のような多国間の取り組みが重要なんだと。
  • 根底から崩れるグローバル化と貿易  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年3月28日号) 全世界の需要が減退するにつれ、貿易量が減少し、保護主義が台頭している。 世界的な経済危機に関する議論には、必ずと言っていいほど世界恐慌との比較が出てくる。世界貿易を巡る類似点には、特にぞっとするものがある。1930年代前半に貿易は恐ろしいほど減少した。世界的な需要が急減し、物価が急落、そして各国政府が関税引き上げの応酬という破壊的な保護主義のスパイラルに乗り出したからだ。 貿易は今再び、戦後に例を見ない収縮ぶりを示している。世界貿易機構(WTO)は3月末、世界の財の貿易量が今年9%縮小すると予測した。これは1982年以来の貿易フローの減少となる。 1990年から2006年にかけて、貿易量は年率6%超の割合で増加し、その間約3%だった世界のGDP(国内総生産)成長率を大きく上回った(図1参照)。今、世界経済というマシンが逆走し出した。生産量

    fujikumo
    fujikumo 2009/04/03
    <信用収縮が貿易を一層逼迫させる要因になっている。世界貿易の90%の潤滑油となる貿易金融で資金不足が推定1000億ドルに達しているためだ。>
  • 怒れる西側諸国と動じぬアジア  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年4月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 先週、リー・クアンユー公共政策大学院院長のキショール・マブバニ氏は会話の中でさりげなく、シンガポール経済は今年、最大10%縮小する可能性があると語った。 この驚くべきセリフがまるで付け足しのように口をついて出たのは、アジア人が自分たちの経済・政治制度に対して抱く信頼が、世界を大揺れさせている経済の大地震にも揺らいでいないことを長々と話した後のことだった。 同氏曰く、シンガポールには現金の蓄えが潤沢にある。政府は既に、従業員を雇用し続ける企業に多額の補助金を出している。一部の従業員の労働時間はカットされたが、職を失う人はほとんどいない。それに、シンガポール人には、いざとなれば引き出せる貯蓄もあれば、頼れる親族もいて、補助金を受けた住宅だってある。 深刻な景気後退にも冷静なアジア人 シンガポールにパニックの気配はない。この都市国

  • 米国の不良資産処理:ガイトナー先生の処方箋  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年3月28日号) 気前の良い補助金のおかげで、米国の銀行の不良資産は買い手に事欠かないはずだ。売り手をその気にさせる方が、ずっと難しいだろう。 薬物依存症の治療法の1つに、いきなり薬物を断たせる荒療治がある。一方、麻薬の代わりにメタドンなどの代用薬を処方するという方法もある。長く待ち望まれていた、銀行から不良資産を切り離すための米国政府の取り組みは、後者の治療法に近い。 信用ブームの時代に金融システムの血管を駆け巡ったのと同じような大きなレバレッジを利かせた資金を提供し、民間投資家を引きつけることを狙うのである。逆説的だが、民間部門が猛烈な勢いで債務を削減しているこの時期に、米政府は、低利の資金供給枠を大量に用意することが、流動性を欠く債権市場を緩和するのに最適の方法だと考えている。 麻薬の代わりに代替薬を与える治療法 3月23日に発表された、政府と民

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    fujikumo 2009/04/02
    不良債権処理、つまづくとしたら、買い手の不在ではなく、売り手の不在だろうと。証券化されていない住宅ローンを銀行はまだ簿価でかかえていて、損失を出すのに消極的と。不動産担保証券の方ははうまくいくかもと
  • デトロイトの恨み節 銀行救済との違いはダブルスタンダード JBpress(日本ビジネスプレス)

    米国自動車産業の幹部らは恐らく、民主党大統領候補指名争いの初期にバラク・オバマ氏から変革の必要性を説かれた時、大して気にしなかったに違いない。 「自動車産業は、企業にとっても、従業員にとっても、米国にとっても持続不能な道を歩んでいる。米国はそれを正すために行動しなければならない」 2007年に業界首脳がほぼ勢ぞろいしたデトロイト・エコノミック・クラブでの講演で、オバマ氏はこう語った。 それから2年、オバマ氏はその発言が額面通りだったことを証明しつつある。 ワゴナー氏は「生贄の子羊」 オバマ大統領はゼネラル・モーターズ(GM)のCEO(最高経営責任者)、リック・ワゴナー氏を辞任に追い込んだ数時間後、GMとクライスラーは追加的な政府支援を受けるには、もっと大胆なリストラに合意しなければならないと警告した。 国家支援を受けた民間企業に対してホワイトハウスがいよいよ大きな影響力を振るう

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    fujikumo 2009/04/01
    <オバマ氏がウォール街よりもデトロイトに厳しいという見方は、政治的な危機を生む。そんなことがあれば、特に米国中西部の自動車業界の中心地で、草の根活動を展開する民主党員と強力な労組の怒りを招くから>
  • 不況の痛み、これからが本番 欧米の対応が不十分な理由 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年3月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 読者は景気回復の芽が見えてきたとお考えだろうか? 米国の新築住宅販売動向をはじめ、景気の先行指標となる統計が最近安定してきたことに安心感を抱いているだろうか? あるいは、最近の株式相場の上昇が危機の終わりを告げていると思っているだろうか? もちろん、経済成長率は遠からず、テクニカルな理由から改善する。さもないと、年末までに世界経済の大部分が吹き飛ぶことになるからだ。 しかし、一部の楽観的なエコノミストが予想しているように、仮に2010年初頭に景気回復が始まったとしても、景気後退の痛みの大部分はまだ先に待ち受けている。これから世界各地で失業率とデフォルト(債務不履行)率が大幅に上昇する。金融セクターに関しても、痛みの大部分はまだこれから訪れる。 銀行セクターを襲うもう1つの危機 この景気下降局面は、恐慌が恐慌でなくなった後も

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    fujikumo 2009/03/31
    ガイトナー・プランに批判的。<政府主導の資本増強という避けられない政策対応を遅らせる>と。
  • ボーナスへの憤怒が暴力化する時 脅迫される銀行経営者らに身辺警護 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年3月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 銀行のトップや知名度の高い会社の幹部は最近、身の安全について多少被害妄想的に心配した方がいいかもしれない。 税金で賄われる救済策に対する人々の嫌悪感が、特定の個人に向けられた「ボーナスへの憤怒」に変わり、身体的な危害を受ける恐れが目に見えて高まってきたからだ。 中傷されている一部の人たちは、当に狙われている。 3月25日には、巨額年金の受け取りで非難を浴びている英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の前CEO(最高経営責任者)、サー・フレッド・グッドウィンのエジンバラの邸宅が襲撃されたことが明らかになった。 英大手銀RBSの前CEO宅襲撃の犯行声明 グッドウィン氏はそこに住んでいないと見られるが、家の窓ガラスが何枚も割られ、メルセデスが壊された。襲撃の犯行声明を出したグループの電子メールは、すべての銀行経営

  • 表現の自由VSイスラム価値 ネット制限めぐるアラブの主張 | JBpress (ジェイビープレス)

    ここ数年、日人の間で知名度が急上昇した中東の近代都市ドバイ(アラブ首長国連邦=UAE)。金融危機でさすがにスローダウンしたものの、その急成長ぶりには目を見張るものがある。世界的に評価の高いエミレーツ航空を利用して、観光やビジネスで訪れた読者も少なくないだろう。 つい数十年前までは砂漠の小さな街が、今や世界有数の観光都市に成長し、超高級一流ホテルがひしめき合う。「カネさえあれば」の条件付きだが、もはや手に入らないモノやサービスはない。この街を歩くと、そんな気になってしまう。 しかしながら、この国に滞在してインターネットを利用すると、たちまち「異変」に気づくはず。日国内であれば何ら問題なく利用していたサイトでも、見慣れない画面表示とともにアクセスがブロックされることがあるのだ。

    表現の自由VSイスラム価値 ネット制限めぐるアラブの主張 | JBpress (ジェイビープレス)
    fujikumo
    fujikumo 2009/03/30
    <アラブ首長国連邦で8713のウェブサイトを調査したところ、その15.4%に当たる1347のサイトがブロックされていた。サウジアラビアの場合、確認できただけでも2000以上のサイトへのアクセスが禁じられているという>
  • 米GEの経営:錆びる魔法  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年3月21日号) 金融危機と景気後退の影響で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は誰もが羨む最高級の信用格付けを失った。由緒ある米国の複合企業の未来には、何が待ち受けているのか。 米ゼネラル・エレクトリック(GE)を優れた経営のモデルとしてもてはやす数々の著作物の1つに、『If Harry Potter Ran General Electric(もしハリー・ポッターがGEを経営したら)』という題名のがある。J・K・ローリング氏が書いた魔法使いの少年の物語から、経営者のためになる教訓を導き出したというだ。 このがベストセラーランキングで、元のハリー・ポッターに対抗することはないだろう。だが、この題名は、巨大工業コングロマリット(複合企業)GEの株主に訴えるものがあるかもしれない。彼らは投資した会社がひどく厄介な魔法にかかり、傾く様子を愕然として眺め

  • 為替介入:スイスが作った厄介な前例  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年3月21日号) 通貨切り下げへの強い誘惑 スイス人であることは楽ではない。他のすべての国からスイスの銀行機密法に対する不平不満を言われる。チューリヒに住んでいれば、湖畔の素敵な家は金持ちの外国人に取られてしまい、住人は湖から離れた、ずっと質素な家で我慢しなければならない。 さらに困ったことに、危機のさなかには誰もがスイスフランを買うため、事実上、金融政策が引き締められることになる。UBSを除けば、スイスは過去10年間、アングロサクソン流の投機ブームに乗らなかった。にもかかわらず、スイスは今、苦しんでいる。 怒るスイス人 スイス国立銀行(中央銀行)は、スイス経済が今年2.5~3%収縮すると見ている。消費者物価は2009年に0.5%下落する見通しだ。言い換えれば、スイス経済はデフレに見舞われているということだ。 しかし、スイス人は今、映画「ネットワーク

    fujikumo
    fujikumo 2009/03/26
    <さらに困ったことに、危機のさなかには誰もがスイスフランを買うため、事実上、金融政策が引き締められることになる>次ページ、ニュージーランドの中央銀行が次に為替介入に踏み切るかもと
  • 株式信仰の崩壊 FT大型連載 資本主義の未来 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年3月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国の深夜番組のコメディアン、ジョン・スチュワート氏は、テレビ株式評論家ジム・クレイマー氏とのインタビューで、こう言った。「75歳の私の母は、長期投資こそが正しい選択だという考えを信じ込んだ。で、結局どうなったと思いますか?」 「うまくいかなかったんですね」とクレイマー氏。 今月、スチュワート氏が番組のゲストのクレイマー氏に恥をかかせた、今やすっかり有名になったこのインタビューは、米国文化歴史にその名を刻んだ。スチュワート氏は、株を信じろと言われて育ち、その信仰が間違っていたことに裏切られたと感じている多くの米国人の心情をはっきり代弁したからだ。 こうした信仰の喪失は、個人投資家を超えて広がっている。株価暴落を受け、プロの投資家や学者も近代金融の論理基盤を疑うことを余儀なくされた。投資業界の最も基的な仮説と、業界が顧客に

  • 北朝鮮を脅かすエネルギー危機 深刻な電力不足で体制崩壊も JBpress(日本ビジネスプレス)

    北朝鮮の電力供給網が死につつある。専門家と外交筋によると、度重なる停電が遠からず、金正日総書記の健康状態を巡る不安や飢饉と同じくらい深刻な北朝鮮の安定を脅かす問題になるという。 北朝鮮を燦然と光り輝く韓国と日に囲まれた真っ暗な地域として映し出す衛星写真は既によく知られている。 だが、洪水で浸水した炭鉱や、沈泥で動かなくなった水力発電所、急減する石油輸入量は、北朝鮮が、宇宙から見えるほんのわずかの明かりを灯し続けることがますます困難になってきたことを意味している。 「我々が目にしているのは、死につつある体のレントゲン写真だ」。米シンクタンク、ノーチラス研究所のピーター・ヘイズ所長はこう話す。「残された時間はあまりない」 ノーチラス研究所は1992年以来、北朝鮮のエネルギープロジェクトに参画しており、外交筋が「北朝鮮のエネルギー供給に関する最も信頼できる描写」と呼ぶ調査結果をまとめ上

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    fujikumo 2009/03/17
    <洪水が北朝鮮の農業問題の原因として取り沙汰されてきたが、洪水が水力発電所を泥だらけにし、数週間にわたる稼働停止を招いていることは、まだ十分に理解されていないと述べた。>
  • 温暖化対策の切り札にならず CO2回収・貯留の問題点 JBpress(日本ビジネスプレス)

    最近、米国のテレビでは、信頼できそうな人々が「クリーンコール(きれいな石炭)」の可能性を信じていると断言するシリーズ広告が流れている。 帽子を被った理知的な老婦人、顕微鏡の傍らに立つ白衣姿の科学者、若さ溢れる学校教師、風雨に耐えてきた農夫、そして意欲的な機械工が1人ずつ、カメラを真っ直ぐに見据えて「私は信じる」と宣言する。 クリーンコール、もっと具体的に言えば「二酸化炭素=CO2=の回収・貯留(CCS)」として知られる技術が世界を地球温暖化から救うという考え方は、政策立案者の間でも、ある種の信仰箇条になっている。 CCSは、温室効果ガスの排出削減を目指すすべての主要構想の中で重要な技術として取り上げられている。気候変動の経済学に関する名高い報告書スターン・レビューは、CCSを「不可欠」と見なしている。 CCSは、プリンストン大学のロバート・ソコロウ氏が提唱した排出量削減のための7つ

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    fujikumo 2009/03/13
    二酸化炭素回収・貯留(CCS)について。かなり一方的な批判記事。その通りかもしれないけれど、ちょっと偏っていると思う。エコノミスト誌らしくない。CCSについては例えば→http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200901140017a.nwc
  • ブラジル経済:怠惰が功を奏す  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年3月7日号) ブラジルでは、経済改革が進まなかった側面のおかげで世界不況による被害の拡大に歯止めがかかっている。だが、近年のブラジルの堅実さも貢献している。 ブラジル経済の発展を阻む要因を挙げると、どんなリストであれ最近まで必ず、金融セクターに対する政府の過剰な介入が含まれていた。ブラジル政府は、巨大なリテール銀行のブラジル銀行、住宅金融最大手のカイシャ・エコノミカ、そして政府が優遇する企業に低利融資を行う開発銀行大手、産業開発銀行(BNDES)を管理下に置いている。 極端に金利の高い銀行融資も足かせになっている。しかし、状況が変わると、非難されるはずの政策が突如、先見の明があるように見えてくる。そうした政策のおかげで、ブラジルは今の世界的な不況に珍しい彩りを添えている。 諸外国は今、今後どのように銀行を運営し、政治家が必要と考える融資先に資金を回した

    fujikumo
    fujikumo 2009/03/12
    <ブラジル経済の発展を阻む要因を挙げると、どんなリストであれ最近まで必ず、金融セクターに対する政府の過剰な介入が含まれていた…しかし、状況が変わると、非難されるはずの政策が突如、先見の明があるように>
  • 「破壊的創造」で失われたもの FT大型連載 資本主義の未来 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年3月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 強欲、詐欺、行き過ぎた低金利、経営の失敗、手緩い規制といったものすべてが危機の発生に一役買った。だが、問題の根幹にあったのは、近代の金融の複雑さと不透明さだ。 6年前、ロンドンのロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)に勤めていたロン・デン・ブレイバー氏は、同行のコンピューターモデルが信用商品のリスクを過小評価していることを心配し始めた。 「最初はやんわり伝えようとした・・・けれど、誰も話を聞きたがらなかった」とデン・ブレイバー氏は振り返る。その理由は、彼らがモデルがどう機能するか全く理解できていなかったことに加え、「集団思考と、仕事をこなさねばならないというプレッシャーがあったのだろう」と言う。 こうした人間の性質はある程度、欧米の大手銀行がいかに今の窮状に陥り、世界を景気後退に陥れてしまったのかを説明する。ワシン

  • 仕込まれていた自滅の芽 FT大型連載 資本主義の未来 JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年3月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 市場主義が広がった1980年代以降支配的だった仮説が今やずたずたになった。政府の守備範囲が再び広がる一方、自由気ままな金融の時代は終わった。だが、今の危機はそれ以上に広範な影響を及ぼす可能性がある。 イデオロギー上の神がまた凋落した。過去30年間にわたって政策と政治を支配してきた仮説が、突如、社会主義革命と同じくらい前時代的に見える。 「英語で最も恐ろしい9単語は、『I'm from the government and I'm here to help(政府から来ました、助けになります)』という言葉だ」。米国保守主義のヒーロー、ロナルド・レーガンはかつて、皮肉たっぷりにこう言った。 今、各国政府が数兆ものドル、ユーロ、ポンドを金融システムにつぎ込む中で、このセリフは古代史のように思える。 「政府は悪、規制緩和された市場は善」

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    fujikumo 2009/03/10
    あとでもう一回読み直す。重要な論説だと思う。現在の金融危機について、どうしてそうなってしまったのか、また、これからどうなるのかについて。
  • インド経済:どこかに続く橋  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2009年3月7日号) 景気減速がインド政府に、脆弱なインフラの再構築を迫っている。 1571年、ムガル帝国のアクバル大帝はアーグラからファテープルシークリーに遷都し、無人の地に砂岩の宮殿を建てた。 1980年代にインド最大の不動産会社DLFのクシャル・パル・シン会長は大帝と同様の衝動に駆られた。シン会長の義父はデリーで23の地区を開発した。シン会長は10マイル離れたグルガオンの小麦畑に、全く新しい街を造り始めたのである。 インドの大志をここまではっきりと体現する場所は、グルガオンをおいてほかにない。DLFが造り上げた街は、同社に追随する不動産業者と世界のフォーチュン500企業のうち150社近くを引き寄せた。 この街の中でも最も高級な住宅地アラリアスでは、広さ6000平方フィート(約560平方メートル弱)の物件が1億ルピー(200万ドル)もする。そこからはイン

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    fujikumo 2009/03/10
    インドは家計の貯蓄をうまく使えていない。貯蓄全体の2/3は家計によるもの、だが、銀行に預けられたこのお金を、銀行は政府に貸してしまう。なので、インドの民間企業は外国人投資家に逃げられて困っていると
  • 中国の陳情制度の闇 高まる社会不安、陳情者の大量拘束も JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2009年3月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 3000年の歴史がある国家への陳情制度は、中国人が不正の是正を求める数少ない手段の1つだ。だが、当局が神経質になる中で、陳情者は往々にして無慈悲な対応を受けることになる。 北京の古代の永定門に夜明けの光が差し込むと、ちょうど門の影になる旧市街の城壁のすぐ内側の路地に、大勢の人が集まってくる。 しかし、この光景は「安定」というには、ほど遠い。そこに集まるのは虐げられた人々で、政府に不満を抱き、現代の高級官僚に嘆願するために首都にやって来た人々なのだ。 こうした群集が外国人ジャーナリストを見つけると、多くの人が嘆願書を振り回し、自分の苦情を口にしながら殺到する。「娘が殺されたのに、警察は何もしてくれなかった」と、河南省出身の陳情者ヤン・ツィーチャンさんは話す。 3000年続く陳情制度の実態 山東省出身のリュー・チョンウェイさんは

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    fujikumo 2009/03/09
    <中国では全国各地に、政府のあらゆる階層に付属する、陳情を受け入れるための国家信訪局があり、この機関が、役人が犯した不正行為や犯罪疑惑について市民が苦情を申し立てるための唯一の合法的な手段を提供>