最近、外国為替市場にちょっとした異変が起きた。過去21年間、1ドル=3.75リヤルの固定相場制を維持し続けてきたサウジアラビアの通貨リヤルが、9月21日に対ドルで0.3%あまり上昇したのだ。2日前の9月18日に発表されたFRB(米連邦準備理事会)による政策金利引下げに、サウジが追随しないと発表したのがきっかけだった。 それから9月末までの間、わずか0.5%にも満たないリヤル上昇が、通貨市場ではドル凋落の兆しとして大きな関心を集めている。市場からの圧力に屈しサウジ通貨当局が、対ドルでのリヤル切り上げや、ドル固定相場の廃止、あるいはユーロとドルのような複数の通貨に水準を連動させるバスケット通貨制への移行に踏み切る、との観測が広がったからだ。仮に実現すれば、それは、国際貿易の決済通貨として、原油取引の建値通貨として絶対的な地位を占めてきたドルの支配力低下と読まれる。 24日には、同じくドル固定相