1980年代まで、アメリカの大学キャンパスに中国本土からの留学生はほとんどいなかった。中国人といえば、台湾からの学生だった(ヤフーの創始者ジェリー・ヤンも台湾生まれ)。本土の学生が大学院の正規学生になろうとしても、学力の点で無理だったのである。 ところがスタンフォード大学大学院における留学生を見ると、90年代の初めに中国からの留学生が日本人とほぼ同数になった。文化大革命の混乱を脱した中国が、この頃に大学院生数でやっと日本と同レベルまで成長したのだ。 2010年、中国はGDPの規模で日本に追いついた。アメリカの大学キャンパスで90年代の初めに生じた状況が、およそ20年の遅れをもってGDPに反映したのである。学位を取得した大学院生が経済活動に影響を与えるようになるには20年程度の時間的な遅れがあるから、これは納得できる結果だ。 それ以前の時点でも、似たことが生じている。90年時点での中国