Tierra(ティエラ)とは、生態学者のトマス・S・レイが1990年代に開発した、人工生命プログラムである。 ティエラは、起動するとコンピュータ内に仮想機械を作りだし、「スープ」あるいは「メインメモリ」と呼ばれる適当なサイズのメモリを確保する。スープは仮想生物が暮らすための空間であり、ここに展開されたバイトコードは仮想生物の遺伝子にあたる。仮想マシンは、遺伝子を機械語として解釈し、実行する。 それぞれの仮想生物は、仮想CPUのレジスタと実行ポインタを保持し、仮想機械がこれを順に切り替えることで、マルチプロセス的に仮想生物の遺伝子を解釈実行する。スープに格納された遺伝子は、一定の割合でランダムなビットが反転し、また仮想CPUはある確率でミスをする。 以上のような条件のもとで、仮想生物はメモリとCPU時間を奪い合いながら、自分の複製を製造する。メモリは、仮想生物にとっての餌であり、CPU時間は