【後編】ただの図鑑とは言わせない!! フリーターになってまで作った『ハエトリグモハンドブック』のハンパないこだわり 前編では、悪戦苦闘のハエトリグモ撮影と飼育秘話を語っていただいた。 後編は、新種発見にかける情熱と採集への飽くなき執念に迫ります。 さて、前編ではいかに魅力的にハエトリグモを撮影するか、その異常なまでのこだわりについて書いたが、後編では採集の話を書いていこう。私はこの「採集」という行為が何よりも好きだ。前編にもあるように、『ハエトリグモハンドブック』は日本産のハエトリグモの全種を掲載することを目標に制作していたので、国内の色々な場所を採集で訪れた。その目的のためにフリーターになってしまった私を、ある知人は「くものプーさん」と称した。じつに言いえて妙だと思う。 日本からは100種以上のハエトリグモが記録されているが、それらは種によって分布や生息環境の好みが違う。森を好む種と草地