――木下さんの漫画『ディノサン』では、現代に再生された恐竜が江の島にある“恐竜園”で暮らし、新人の女性飼育員・すずめが奮闘する日々を描いています。 木下:「なんで江の島を舞台にしたんですか?」と聞かれたことがありますが、実際に江の島に恐竜がいても違和感がないというか、多分受け止めやすいと思ったからです。ニューヨークやサンフランシスコではなく、江の島という舞台は日本人には親近感が湧きやすい気がするんですよ。『ジュラシック・パーク』との差別化は、いかにローカライズさせるかというか、「向こうが一級品のハリウッドの派手なテーマパークだとしたら、こっちは地方の小さな遊園地だ!」といったことで意識していますね。 ――それでも、江の島に“恐竜園”があるというのは強烈な世界観ですね。 木下:それは、犬や猫の様な距離で恐竜を感じたことがないからだと思います。恐竜は遠くから離れて見ないと危険というイメージがあ