115文字の銘文が金で象眼された稲荷山古墳(埼玉県行田市)出土の鉄剣(国宝)を、九州国立博物館(福岡県太宰府市)と埼玉県教委がX線CT(コンピューター断層撮影)で調査し、得られた三次元データをもとに複製品を作った。1万円以下の費用で作れるため、誰でも気軽にさわれ、目が見えない人も文字をなぞることができる。26日、関西大で開かれた日本文化財科学会で発表した。 鉄剣には「辛亥年(しんがいねん)」(471年)、「獲加多支鹵(わかたける)大王」(雄略天皇)などの文字があり、古墳近くの県立さきたま史跡の博物館の窒素ガスを封入したケースで保管されている。 昨秋、九博で展示した際にX線CT装置で調査した。回転台に置いて全方向から撮影し三次元計測した結果、これまでわからなかった金文字の厚さが0.5~1ミリと判明した。また、柄(つか)に近い部分を鉄とは別の金属で装飾した跡が新たに見つかった。 これら三次元の