政府が節電要請の一環として、資源エネルギー庁は室温を28℃にするように呼び掛けている。しかしクールビズの導入時に環境省担当課長だった盛山正仁法務副大臣は、会議の席で「何となく28度という目安」(同氏)で始めたと発言している。何となく? 何となくで国民に暑い夏を我慢しろというのも、無茶な話である。正しい室温とは何度なのか。この夏、節電と快適さのバランスをとるにはどうすればいいのか。建築と健康の関係について研究している慶應義塾大学 理工学部の伊香賀俊治教授に話を聞いた。 伊香賀 俊治 慶應義塾大学 理工学部 教授/ 前日本建築学会副会長(SDGs、脱炭素推進担当) CASBEE研究開発委員会 委員長 SDGs-スマートウェルネスオフィス研究委員会 エビデンス収集部会長 SDGs-スマートウェルネス住宅研究企画委員会 委員長 室温28℃は許容限界 室温28℃でエアコンを動かすと、いつまで経っても