「練習が完璧をつくる(Practice makes perfect)」という言葉がありますが、あまり適切とは思えません。 というのも、私は子どものころ、クラリネットを猛練習していて、10代の頃にはよりいっそう練習したのに、私の腕前は「完璧」から程遠いものだったからです。 とはいえ、「何事も、練習することでしか上達しない」というのは、本当にそのとおりです。ただ、もう少しうまく説明するなら、人は練習によって、頭の中に「ブレインチェーン(脳の鎖)」をつくっているのです。 脳内に鎖の連なりがゆっくりと形成されていく 米オークランド大学工学教授のバーバラ・オークリー氏は、「元・数学オンチ」で、その後エンジニアとなり、大人と子どもの学習プロセスを研究しています。 人が新しいスキルを練習したり、新しい科目を学んだりするときに、オークリー氏が好んで思い浮かべるのは、その人の脳内に新しい鎖の連なりがゆっくり