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2017年末、大阪府寝屋川市の民家で、衰弱死していた33歳の女性が発見されました。 精神疾患を患っていたとされる女性・Aさんは、15年以上にわたって家族の住む家の敷地内に監禁されていました。 何があれば、最悪の結末を防げたのでしょうか? 事件の経緯は? 最初に、メディア報道から事件の経緯をまとめます。人名はイニシャルで示します。 1985年Aさん、父親Kさん(55)・母親Yさん(53)の長女として出生。父親はガラス工場に勤務する会社員。母親はAさんの小学校時代は地域の子供会などに積極的に参加(報道1)。 1995年Aさん(小5)、両親・次女とともに大阪府寝屋川市に転居。運動会で創作ダンスを披露。母親に見てほしかった(母親が見に来たかどうかは不明)(報道1)。当時の同級生はしばしば、Aさんの全身の叩かれたようなアザや、着ていた衣服が破れているのを目撃していた。Aさん自身は「犬にかまれた」と語
コンビニエンスストアで万引きした疑いで逮捕された、女子マラソン元日本代表選手の原裕美子さんが、現役時代から摂食障害を患っていたことが分かった。万引きは、摂食障害にしばしば伴う問題行動として知られており、専門医は「摂食障害患者の万引きの多くは、症状の1つ」と指摘している。 「体重が減ったら調子がよく……」 私(江川)は22日、勾留先の警察署で、原さんと面会。その際、原さんは京セラに在籍していた時に、摂食障害を発症していたことを明かした。 ストレスからの過食。体重制限もあり、体を重くしないために嘔吐するようになったのがきっかけだった。 名古屋国際女子マラソン優勝、世界陸上6位入賞、大阪国際女子マラソン優勝など、赫々たる成績は、実は過食嘔吐の摂食障害を抱えながらのものだった。 「摂食障害による万引きの典型」と専門医今回の事件現場となったコンビニ。 今回の事件現場は、自宅から車で30分くらいの通り
精神医療が世の中を変えて、世の中が精神医療を変えていく。 そういう視点で、精神医療と世の中の相互作用を眺めていると、つい、ブロガーっぽいことを考えたくなる。 1.昔の精神医療には「狂気」しか無かった。 「発達障害」も「社交不安性障害」も「境界性パーソナリティ障害」も昔は存在していなかった。今日ではよく知られている心の病気が出揃ったのは、20世紀になってからのことだ。 十八世紀には、たったひとつしか心の病気が存在しなかった。狂気 insanity である。狂気という診断が意味していたのは、今日の臨床家が精神病という語で意味しているもの、あるいは口語的に「狂った crazy 」と言われているものだった。「狂気」とは、多くの場合妄想や幻覚を伴ったり、重いメランコリ―や高揚状態を伴うなど、患者が現実となんらかのかたちで接触を失っている状態のことを意味していた。 (中略) 狂気というひとつの病気だけ
※非常に長いので時間のあるときにお読みください。 はじめに 統合失調症の概説 統合失調症患者はなぜ「鴨」にされるのか1─妄想の根源─ 統合失調症患者はなぜ「鴨」にされるのか2─妄想の統一化─ 統合失調症ビジネスの誕生 終わりに はじめに 統合失調症、それは極めて身近な病気だ。発症確率は全人口のうち1%とも言われ、つまり一学年の中に数人は統合失調症患者がいる(あるいは将来的に発症する)ことになる。 統合失調症患者に対する偏見は数限りない。殺人を犯す、凶暴になる、人格を失う…。これらの世間に流布しているイメージは、実はある一面では事実である。具体的にはネットで有名な林先生ことDr.林(林公一)氏の書いた『統合失調症─患者。家族を支えた実例集』の中に取り上げられている。統合失調症は治療で抑えることはできるのだが、この治療をしなかった場合最悪の出来事が─あなた方が統合失調症に抱くイメージ通りのこと
「性の悦びおじさんが死んだ」 その書き込みを見た時、得体の知れない胸騒ぎが「形になった」気がした。 私が最初に彼を知ったのは、彼を知る殆どの群衆と例外ではない「Twitter」での拡散動画を見たのがキッカケだった。 タイムラインにリツイートされてきたその動画を再生して、悲しくなったことを覚えている。 「こんなものを平気で拡散する人がいるのか…」 これはなにも、彼の動画が初めてではない。 今までも数多くの「一般人の奇行」を盗撮した動画が、不特定多数の人に拡散され、ネット界を独り歩きしてきたのだ。私はそんな動画を見る度に、心が痛んだ。 あの動画を「撮った」人がいる。ネットに流出した動画を見て「笑った」人がいる。そしてそんな彼をまた、他人に「見せようとする」人がいる。 彼らの動画を見て、もしくは彼らの実際の姿を見て、本当に何も思わないだろうか? 乗客が多数いる車内で、大声を出す。道を歩きながら突
「私ってADHDなのかもしれない…」 「発達障害の診断って、どこで受けられる?」 最近、そういう相談、あるいは悩みの開示を受けることが多くなった。 「ふーん、そっか。どうしてそう思った?」 相談してくれる人たちは、なんというか往々にして「真面目」だ。 責任感も強く、自分の職場や仕事に対しても一生懸命取り組む。 でも、なぜか仕事がうまくいかない。少なくとも本人はそう感じて苦しんでいる。 真面目であるゆえに、人一倍努力してなんとか乗り切ろうとする。 「これはきっと、自分のビジネスパーソンとしての努力や工夫、成長が足りないからだ」 自分の責任問題にして「頑張って」解決しようとするわけだ。 それでもやっぱり、仕事のエラーが頻発する。 自己肯定感は下がり、だんだんと心身の不調につながっていく。 「決して自分は怠けているわけじゃないのに、どうしてうまくいかないんだろう。もしかして…」 悩みに悩んだ状態
「私、とにかく不安なんです! すごく貧困です!!」 女子小学生のようなフェアリー系の服装で身を固める本多梨美さん(30歳、仮名)は、顔を合わせるなりそう訴える。 「不安で不安で、仕方ない。本当にささいなことで悩んじゃって、この前、お母さんが“風邪をひいた”ってなった。そこから悪い病気じゃないかとか、親がこのまま死んじゃったら、もう生きていけないとか。深く考えちゃって。私ひとりでは自立できないから、妹に迷惑がかかっちゃう。だったら死んじゃったほうがいいみたいな。毎日毎日、そうやって悩んで頭がおかしくなっています」 東京郊外の繁華街、平日昼間からとにかくたくさんの人がいる。異常に目立つ彼女のことは、すぐにわかった。外見は年齢相応だが、女子小学生に人気の月刊誌「ちゃお」から出てきたような服装。リュックはうさぎのぬいぐるみ。デコレーションされたカバンの中は、キャラクターグッズだらけだ。 「27歳の
gigazine.net このGIGAZINEの記事、よくこれだけ調べてまとめたなあ、と思いながら読みました。 村田マリさんがやったこと、やろうとしていたことには、さまざなま意見もあるでしょう。 僕はこんなふうに、「読んだ人が健康を害するかもしれない、いいかげんな情報」を垂れ流していたことに憤りを感じています。 南場さんは、夫の闘病中に「ネットにはあまりにもバイアスがかかった『健康情報』が多すぎる」と感じたと仰っていたのに、なぜ、こんなことになってしまったのか。 この記事をみながら、僕は最近読んだ本のことを思い出していました。 それはこの『サイコパス』という新書です。 サイコパス (文春新書) 作者: 中野信子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/11/18メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るfujipon.hatenadiary.com 誤解を招かな
「んああ、えんああぁ、んぁああ……」 神奈川県某市。足元がおぼつかなく、マスク姿で現れた山内里美さん(48歳、仮名)が何を言っているのか、わからなかった。聞き耳を立てて近づいたが、わからない。彼女はカバンからメモ帳とペンを取り出す。「20分後には薬が効くと思うのでしゃべることができます。申し訳ありません」と書いてあった。達筆だった。 精神障害と向精神薬の副作用、脳脊髄液減少症に長年苦しむ。この4年間は働くどころか、普通の日常生活も送れない。普段は自宅から出ず、一日中横になって療養する。服装はジャージ、首にはコルセット。自宅から徒歩5分程度のここにも、なんとかやって来たという状態だ。普段は動けないが、服薬すると一時的に回復し、しゃべることができるという。 バツ1のシングルマザーで、子どもは男1人、女2人。現在は近くの古い団地に21歳の長男、19歳の次女と3人で暮らす。彼女と次女は、生活保護を
2016 - 11 - 04 うつ病患者に運動や筋トレを押し付けるのはやめてくださいませんか? うつ病 うつ病-治療 Twitter Google Pocket 【スポンサーリンク】 こんにちわ、サユです。 うつ病 の治療法の一つとして、 運動療法 が挙げられることがあります。 「 運動が うつ病 を改善に向かわせる効果を持つらしい 」というのは、ちゃんと学術的に実験・調査を行なった結果として発表されている、それなりに根拠のある話です。 運動と うつ病 の関係を調査する大々的な実験として有名なのはアメリカで1999年に行われたものですが、「運動が うつ病 に効く」という調査結果は1970年代から繰り返し報告されています。決して目新しいものではありません。 はてな ブロガーにはおなじみの「瞑想、運動、野菜」の うつ病 撃退三点セット(?)の中では、一番昔から存在するものなのではないでしょうか
自殺を思いとどまったという方からメールを頂いた。 若い男性だ。 死ぬことをやめた後、電通の自殺事件報道があった。私もこの事件に関して、何度かエントリーを書いていた。それがきっかけで彼は私にメールを送ってくれた。本人了解のもと、一部ぼかしつつ、彼の問題提起を代弁することにする。 電通の自殺事件について彼は、「長時間労働などによる過労自殺」なのか「復讐としての自殺」なのか、疑問に思ったという。彼は実体験をもとに、長時間労働が人を殺したのではなく、周りの人の対応がその人を自殺に追いやったのではないかと考えている。これは、復讐としての自殺だったのではないか、と、 メールを頂き、胸が傷んだのは、彼の勤務先が知人が経営する会社だったことだ。あまり会話をしたことがない先輩なのだが。その事実にはそれなりに驚いた。しかし、それ以上に「あの人の会社なら起こりかねないな」と考えてしまった。何年も経営者をしている
イタリアはいかにして社会を精神病院から解放したのか 『精神病院はいらない!――イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子3人の証言』編著者、大熊一夫氏インタビュー 国際 #バザーリア#精神病院 精神病院について何も知らない日本の市民は、精神疾患を治して社会に戻してくれるところだと単純に思っているふしがあります。しかし、病棟を観察すれば、治療失敗例・没治療例・救済放棄例のルツボ。精神科のベッド数はなんと30万床以上で、単位人口当たり世界ダントツです。入院期間も世界に例を見ない長期収容です(世界の平均在院日数は20日程度。日本は、1年以上の長期入院を続けている人が、20万人以上)。それは、医療の問題ではなく、入院の必要がないのに病院に留め置かれている「社会的入院」と言われる人が、厚生労働省が認めるだけで18万人(2011年度)もいるという日本社会特有の問題でもあります。 ところが、もう35年以
精神障害者の雇用が急増していることをご存知だろうか。厚生労働省の最新データ(2015年6月)によると、その数は約3万5000人。5年前は約1万人、9年前は約2000人だったから、まさに「急増」と言ってよい。精神障害者は見かけ上、健常者と変わらないため、職場ではさまざまな問題も起きる。彼ら彼女らはどんな壁を感じているのか。受け入れ側はどんな配慮を求められているのか。外見からは障害者とすぐに分からないからこその悩み。2018年4月からは身体障害者・知的障害者に加えて精神障害者の雇用も義務付けになる。それを前に試行錯誤の職場を歩いた。(Yahoo!ニュース編集部) 東京都武蔵村山市。大型ショッピングモールが立ち並ぶ一角に花の加工センター「スマイル」はある。従業員は約30人。2年前から精神障害者の雇用を始め、今は2人が働く。56歳の渡邊廣巳さんもその一人で、統合失調症を患っている。担当は花束の箱詰
最も若者が生きにくい先進国 若者たちは元気で健康的なはずだという思い込み(青年健康説)を、あなたもどこかに抱いてはいないだろうか。 実は彼らの健康はいま、急速に脅かされている。特に労働現場において、長時間労働やパワハラの横行などにより、精神疾患を発症する人々が増えている。彼らが受診する診療科目で、最も多いのは精神科や神経科であることをご存じだろうか。これは年々上昇傾向にあり、減少に転じる気配はない。現在進行形で、日本社会は若者の精神をむしばんでいる。 それに伴い、若者の自殺率も高い特徴がある。事実として、主要先進国において、若者(15〜34歳)の死因トップが自殺であるのは日本だけであり、若者の自殺死亡率は日本がダントツなのである。世界で最も若者が生きにくい先進国だと言っても差し支えないと思う。統計データは実に正直だ。 うつ病や不安神経症などの精神疾患は、人々の命を容易に絶たせる悪魔だ。精神
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