「第二の太陽」 直視は禁物だが、どうしても目に入ってしまう。イスラエルのネゲヴ砂漠の岩山やクレーターの間を車で走っていると、高さ243メートルを超える灰色の塔が発する鋭い光を見逃すことはないだろう。それは宇宙からでも見える。 これは、イスラエル国内でも類を見ない高さを誇る建造物、アシャリムのソーラー・タワーだ。 「第二の太陽」と最寄りの村の商店主が呼ぶこの塔は、イスラエルの技術革新の証であり、すばらしいテクノロジーの成果であると支持者は言う。しかし、運用開始までに時代遅れになってしまった技術に頼る高価な失敗作だと批判する人もいる。 いずれにしても、アシャリム村の約750人の住民にとって、この塔は、生活の背景として常にそこにある。不満の種になることもあれば、畏敬の念を抱いたり、誇りに思ったりすることもある。 ときにはディストピアの超高層ビルのように、道の向こうの酪農家の牛やニワトリを見下ろし