ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川による性加害問題に対する告発が止まらない。一方、何十年も前から囁かれていたこの疑惑が追及されてこなかった背景には、日本企業に広く共通する問題が見られると、英紙「フィナンシャル・タイムズ」の日本特派員が考察している。 疑惑から免罪されてきたジャニー喜多川 2023年5月中旬、日本の主要テレビ局は、藤島ジュリー景子の1分間の謝罪動画を放送した。自己紹介に続く4つの文章に4回のお辞儀。そこには、後悔や反省、責任感のようなものは、まったく感じられなかった。 それは彼女の叔父であるジャニー喜多川の疑惑に対して求められた対応で、非常に簡潔だった。アジアで男性アイドルグループというジャンルを切り開いた喜多川は、若い男性タレントを抱える日本で最も有力な事務所を作り上げた。しかし、謎に包まれ、他者を意のままに操るスヴェンガリのような人物であった彼には、60年近く、性的
![ジャニーズの性加害問題を生んだ「権力構造」を多くの日本企業は抱えている | 「絶大な権力者」に物言えぬ日本](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2da05ae83022f8741b13cc787b704a39ce7e949b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2023%2F06%2F22093740%2FGettyImages-522170264.jpg)