【読売新聞】 幕末の長崎で茶の貿易商として活躍した大浦慶(1828~84年)の没後140年を記念したシンポジウムが命日の13日、長崎市の出島メッセ長崎で開かれる。主催する「長崎・大浦慶日本茶輸出歴史研究会」は「大浦の功績を広く知って
幕末維新期の日本では、米国から帰国した留学生らが女性への高等教育を普及させようとしていた。だが、日本政府が「良妻賢母」に基づく教育方針を推進したことによってこの試みはとん挫し、女性たちは低賃金労働や家事の担い手として組織や家庭に組み込まれていく。 日米両国の女性労働者の自立の喜びと、そこに至るまでの奮闘を描いた湯澤規子氏の新著『焼き芋とドーナツ』から、現代日本にはびこるジェンダー差別の一因とも言える近代女子教育の挫折を抜粋で紹介する。 津田梅子がアメリカ合衆国で見たもの学んだこと 今日から遡ることおよそ150年前、新しい日本の教育に寄せられた大きな期待を背負って渡米した津田梅子が帰国後になぜ、失意の中で二度目の留学を切望したのか。 そして、マサチューセッツ州ウッズホールの海洋生物学研究所で生物学に目覚めた彼女がなぜ、帰国後の日本で生物学ではなく女性の高等教育にその後の人生を賭したのか。 今
米国のファッションドール「バービー」。このいかにも米国的な彼女が生まれたのは、なんと日本なのだという。日本文化に詳しい米国人ジャーナリストで通訳・翻訳家でもあるマット・アルトが、知られざるバービーの生い立ちを明らかにする。 「バービー人形」と聞くと、理想のファッションに身を包んだ現代女性の理想形、というイメージがどうしてもつきまとう。米「ニューヨーカー」誌がかつて評したように、バービーは「過ぎ去った時代の名残であり、同時に女性と仕事、セックス、男たちといった変化し続ける概念の最先端」でもある。ようするに、バービーはアップルパイと同じ、いかにも米国的なキャラクターなのだ。 だから、「実はバービーは完全なるメイド・イン・ジャパンですよ」と言われれば、誰しもエッと驚くかもしれない。 玩具メーカー「マテル」の共同創業者ルース・ハンドラーは、1956年にバービー人形のアイデアを思いついた。だが当時マ
フランス人歴史学者ミシェル・ペロー(95)は高齢をものともせず、階段の上り下りをいまも続ける。それは、身体的な意味でも精神的な意味でもある。彼女は過去から現在そして未来、歴史から人類学、そして文学へと駆け上がる。その足取りの軽さは、どの世代でも真似できないほどで、彼女ほどの高齢となれば唖然とするほかない。 ジョルジュ・デュビィとの共著『女の歴史』など、女性史研究におけるパイオニア的存在であるペローはこのほど、ジャーナリストのエドゥアルド・カスティージョと共に『フェミニズムの時代』(未邦訳)を刊行したばかりだ。そのエネルギーは尽きることを知らない。そんな彼女に、スペイン「エル・パイス」紙がインタビューした。 「フェミニストの歴史家」ではない ──あなたは労働者、刑務所と犯罪者、女性の研究に生涯を捧げてきましたが、これら3者を結びつけているのは何でしょう? いずれも支配されている側だという点で
戦争花嫁のイメージと現実 ──第二次世界大戦後、占領下の日本に駐留する米国人軍人と結婚し、渡米した日本人女性が約4万5000人いました。その女性たちは「戦争花嫁」と呼ばれています。トールバートさんは、ご自身の母親が戦争花嫁だったこともあり、米国各地で暮らす戦争花嫁とその家族に会ってインタビューをし、それをオーラル・ヒストリーとして記録に残す活動をされています。世間一般の人が戦争花嫁に関して誤解しがちなことがあるとすれば、それは何ですか。 戦争花嫁たちは従順な女性だったのだろうと思い込まれがちです。それがまず思い浮かぶ誤解です。米国人たちも最初、渡米してきた戦争花嫁たちを見て、きっと従順な女性なのだろうと思い込んでいました。でも、実際の戦争花嫁は、みんな芯の強い女性でした。 リスクを負うことを厭わず、自分の前にチャンスが転がってきたら、たった一人でも賭けに打って出る人たちだったといえばいいで
ナチスの強制収容所に入れられたユダヤ人の女性たちは、意図的に不妊にさせられていた可能性があることを示す研究が発表された。その根拠は何か? どのような手段が使われたというのか? ユダヤ系メディア「フォワード」がその謎に迫る。 この記事は米大手ユダヤ系報道機関「フォワード」で最初に掲載されたものです。フォワードの無料ニュースレター登録はこちら。 「おばあちゃん、アウシュヴィッツにいたとき生理はあったの?」 若い女性が93歳の祖母にそう尋ねるTikTok動画がこの夏に拡散された。「いいえ」と答える祖母の腕には、強制収容されたときに入れ墨された囚人番号があらわになっている。 「私たちの食事に何かの薬が入れられていて、それで生理が来なくなったから」 看護師のミリアム・エザグイが投稿したこの動画には「いいね」が300万以上もついたが、懐疑的なコメントも無数にあった。 「それは栄養失調のせいだと思ってい
日系4世のハナ・モリタ(22)は、写真共有サービスのピンタレストをスクロールしているとき、ハジチと出会った。 ハジチは、沖縄の女性が手や指に入れる小さなタトゥーだ。日本の本土とは異なる文化の痕跡を色濃く残す沖縄では、ハジチはかつて一般的な習俗だった。だが、日本政府による長年の同化政策のせいで、いまや消滅の危機に瀕している。 モリタは毎年夏に沖縄に住む祖母を訪ねる。自分の家族のルーツへの理解を深めるためにハジチを調べはじめたモリタは、インスタグラムで沖縄在住のハジチアーティストを見つける。モリタは彼女のもとを訪れ、自分の手にもハジチを施した。 「もっと自分らしくありたい、という気持ちを肯定してくれるものを身体に刻みたかったんです。祖母は私のハジチを見てとてもうれしそうでした。祖母にもハジチがあるんです」 女性が女性のために彫るタトゥー ソーシャルメディアを通じて、この失われたアートに注目する
「あの敵愾心の強いルサンチマンの運動に辟易している」 ──トッドさんの新著『彼女たちはどこからきて、今どこにいるのか?──女性史の素描』(未邦訳)が2022年1月にフランスで刊行されました。この本では「第三波フェミニズム」やジェンダー理論がかなりきつく批判されています。 あなたに言わせれば、そうしたものは男女の間に戦争を起こそうとするものであり、現実離れしたイデオロギーだとのことです。そんなことを言うと左派のお友達が離れてしまいそうです。どうしてそんな本を書こうと思ったのでしょうか。 おっしゃるとおり、私は第三波フェミニズムと呼んでいますが、あの敵愾心の強いルサンチマンの運動に辟易しているところがあるのはたしかです。そこはおそらく私の世代の男性たちと同じです。私の世代は徹頭徹尾フェミニズムでしたし、私の社会環境でもそうでした。 私が驚いたのは、このフランスに英米流のフェミニズムに似た、敵愾
抑圧された生きづらい社会を生き抜いて活躍した女性たちの姿を見ると、勇気づけられるものだ。だが女性という「性別」だけにとらわれ、残した功績の裏側にある歴史を見落とすことは本末転倒なのではないか──男性優位の写真の分野で活躍した日本人女性、笹本恒子の作品が展示されたことを受け、歴史家が米紙「ワシントン・ポスト」に寄稿している。 2021年7月2日~10月3日にかけて、「カメラの背面に立つ新しい女性(The New Woman Behind the Camera)」と銘打った特別展がニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)で開催された(現在はワシントンのナショナル・ギャラリーに巡回中。会期は2022年1月30日まで)。これは、20世紀前半に活躍した重要な女性写真家の作品を紹介した写真展になる。 ニューオーリンズの黒人コミュニティで写真スタジオを開いて成功した女性写真家たちをはじめ、世界各地で
長年にわたって日本でも少子化が問題になっており、さまざまな対策が行われてきた。しかし、歴史を紐解いてみると過去にも少子化が問題になったことがあり、昔の人々もあの手この手で歯止めをかけようと試みたようだ。 メリーランド大学ボルチモア・カウンティ校の歴史学教授が事実上の独身税や、結婚くじ、といった過去に提案された少子化対策について記している。 米国など世界各国で、少子化に対する認識、そして懸念が高まっている。 出生率の低下は通常、社会の衰退、国力の低下、結婚や家族の価値観の喪失などの兆候と見なされる。歴史的な文脈で語られることはほとんどないが、出生率は周期的に変化するものであり、歴史的に見ても上がったり下がったりを繰り返している。 子供を持つかどうかは個人的な問題だと考える人もいるかもしれないが、個人やカップルは外部からの影響を受ける。経済的、社会的、文化的な要因は出生率に大きく影響するのだ。
イタリアで19世紀の詩を題材にした女性像のシースルードレスが物議を醸している。 銅像の除幕式は先週末に南部カンパニア州サプリで執り行われ、ジュゼッペ・コンテ前首相も出席した。女性像は、イタリアの歴史的詩人ルイジ・メルカンティーニの詩「La Spigolatrice di Sapri」に敬意を表したもので、彫刻家のエマニュエル・スティファノが手掛けた。 しかし、ベールを脱いでお披露目された女性像がまとっていたのは、肌があらわになった透け透けのドレスで、女性の政治家たちから非難の声が上がっていると、英紙「ガーディアン」が報じている。 La statua appena inaugurata a #Sapri e dedicata alla #Spigolatrice è un’offesa alle donne e alla storia che dovrebbe celebrare. Ma c
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