国際ニュースを深く読み解くには、目の前の事柄だけに注目するのではなく、その経緯や背景を紐解く必要がある。『読書大全』の著者で、膨大な数の書物を読んできた堀内勉氏が、その知識の蓄積からニュースを読み解く本連載。第1回は中国で絶対的な権力を握る習近平国家主席が考えている未来、そして待ち構えているであろう未来について。 今年7月1日、中国共産党創立100周年の祝賀行事が盛大に行われ、習近平国家主席は7万人が動員された天安門広場で1時間超に及ぶ演説を行った。 習近平は、建国の父として神格化された毛沢東(1893~1976年)に自らのイメージを重ねているようである。彼には、「5年に1度の党大会時に68歳以上なら引退」という共産党最高指導部の定年慣例が適用されず、2027年まで最高指導者の地位にあり続けると言われている。 集団指導体制を転換し、自らに権力を集中させ、国民に対して抑圧的・監視的な統治を行