イルカと一緒に漁をするラグナの漁師 Photo: Fabio G. Daura-Jorge / Federal University of Santa Catarina / The New York Times 珍しい「互恵関係」 ブラジル南東の町、ラグナ郊外。毎年夏になると、回遊してくるボラを捕まえようと、漁師たちが河口近くの水路に足を踏み入れ、投網を打つ。水は濁っていて、魚がどこにいるか、見ただけではわからない。ところが、予想外の助っ人が現れる。バンドウイルカが、獲物を網に追い込んでくれるのだ。 人間とイルカという異なる2種類の捕食者は、何世代にもわたり、協力して漁をおこなってきた。 「イルカと一緒に漁をするというのは、ユニークなことですよね」と話すのは、イルカとともに投網漁をして50年になるラグナの漁師、ウィルソン・F・ドス・サントスだ。彼は15歳のときにこの風習を知った。父親が漁を